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『The Beguiled / ビガイルド 欲望のめざめ』ソフィア・コッポラに着想を与えたイーストウッド主演映画とは?※注!ネタバレ含みます。

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『The Beguiled / ビガイルド 欲望のめざめ』ソフィア・コッポラに着想を与えたイーストウッド主演映画とは?※注!ネタバレ含みます。

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『The Beguiled / ビガイルド 欲望のめざめ』あらすじ

1864年。美しい鳥のさえずりが響くバージニア州の森には、遠くから絶え間なく大砲の音が聞こえ、3年目に突入した南北戦争が暗い影を落としていた。キノコ狩りをしていた女子寄宿学園に通うエイミー(ウーナ・ローレンス)は、傷を負った北軍兵士マクバニー(コリン・ファレル)を発見。手当をするため学園へ連れ帰ることに。マーサ・ファーンズワース女子学園は、園長のマーサ(ニコール・キッドマン)、教師のエドウィナ(キルスティン・ダンスト)、そして家に帰ることができない事情を抱えたエイミーをはじめ、アリシア(エル・ファニング)、ジェーン(アンガーリー・ライス)、エミリー(エマ・ハワード)、マリー(アディソン・リーケ)の5人の生徒が暮らしていた。招かざる敵兵の出現にはじめこそ戸惑うものの、キリスト教の教えに従い回復するまで面倒を見ることに。


男子禁制の学園で暮らしていた乙女たちは、ワイルドでハンサムなマクバニーに興味津々。早熟なアリシアは思わせぶりな視線を投げかけ、エドウィナはブローチをつけて秘かにおしゃれをし、まだ幼いマリーも負けじとエドウィナの真珠のイヤリングをつけて着飾る始末。園長のマーサはそんな彼女たちをたしなめるものの、手当をするために久しぶりに触れた生身の男性の身体に、彼女自身も胸の高鳴りを抑えきれずにいた。手厚い看病を受けるマクバニーは、誠実な態度で信頼を勝ち取り、7人全員から好意的に受け入れられるまでに。ただし、誰にでも愛想を振りまき、女性たちが自分に虜になることを楽しむかのような態度は、秩序を保ってきた集団の歯車を次第に狂わせていく。


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すべてのきっかけは『白い肌の異常な夜』との出会い



 ソフィア・コッポラにカンヌ映画祭監督賞をもたらした最新作『The Beguiled / ビガイルド 欲望のめざめ』。彼女は決して“雇われ監督”的な映画作りには与(くみ)しないので、本作でもまた、激しく心を突き動かされる題材とのファースト・インプレッションが重要となった。とはいえ、それがまさかクリント・イーストウッドの主演作からもたらされることになるなんて、彼女自身、思いもしなかっただろう。


 それは『SOMEWHERE』を製作している頃のこと。ソフィアはプロダクション・デザイナーのアン・ロスやその他の古い付き合いの仲間たちから「きっと気にいると思う」と、イーストウッド主演作『白い肌の異常な夜』(71)を薦められた。前々からタイトルだけは耳にしていたけれど、一度も観る機会はなかったこの映画。実際に鑑賞してみて、ソフィアは本作に張り詰めた異様な雰囲気、やがて訪れる予期せぬ展開、そして何よりも、女性だらけの世界に男性が一人だけ紛れこむというドラマ性に惹かれたという。


 しかし彼女の中に「この映画をリメイクしたい」という考えは更々なかった。彼女の目に留まったのは、むしろその源泉だ。トーマス・カリナンが著した原作小説へと立ち返り、この物語をもっと“女性の目線”で深く掘り下げ、再解釈することはできないだろうか。そうすればきっと自分らしい作品が描けるはず――――。このような思いを巡らした末、同じ原作をベースとした“二つ目のバージョン”が映画史に産み落とされることになった。


『The Beguiled / ビガイルド 欲望のめざめ』予告




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