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『アンドロメダ...』パンデミックを予言!?未知の病原体と対峙するハードSF(前編)

(c)Photofest / Getty Images

『アンドロメダ...』パンデミックを予言!?未知の病原体と対峙するハードSF(前編)


 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、未知の病原体の危険性を描いたSF映画『アンドロメダ...』(71)に再び注目が集まっている。そこで今回は、この映画の魅力を2回に渡って分析してみたい。


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パンデミックを描いた映画



 現在ネット上には、「パンデミックを予言していた」と言われる映画の名前(*1)が、数多く挙がっている。今回取り上げる『アンドロメダ...』もその1本で、ニューメキシコ州の小さな村ピードモント(架空の村)に落下した、スクープという軍事衛星のカプセルに未知の病原体が付着しており、村の住人や衛星の回収に向かった軍人が、謎の死を遂げるという所からストーリーが始まる。



*1 例えば、『ザ・クレイジーズ』(73)、『Plague』(79)、『復活の日』(80)、『アウトブレイク』(95)、『Contagious』(97)、『感染列島』(09)、『コンテイジョン』(11)、『ヨンガシ 変種増殖』(12)、『FLU 運命の36時間』(13)、『コンテインメント』(15)などといった作品だ。これらは主に、感染爆発による社会秩序の崩壊や、医療現場におけるパニックを描いている。


 その一方で、『カサンドラ・クロス』(76)や『12モンキーズ』(95)、『フェーズ6』(09)、リブート版『猿の惑星』シリーズ(11/14/17)などのように、あくまでパンデミックを物語の背景として用いている作品もある。


 この系統で圧倒的に多いジャンルが、『The Last Man on Earth』(64)、『地球最後の男 オメガマン』(71)、『28日後…』(02)、『バイオハザード』シリーズ(02/04/07/10/12/16)、『アイ・アム・レジェンド』(07)、『ワールド・ウォーZ』(13)、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)、『PANDEMIC パンデミック』(16)などといったゾンビ系映画だ。


 また、ゾンビ系映画として語られることはほとんどないが、H・G・ウェルズ原作のSF映画『来るべき世界』(36)では、戦争と疫病で荒廃した1966年のエヴリタウンが登場する。その疫病の描写は、意識を失った人々が彷徨するというもので、人肉こそ喰わないがゾンビそのものだ。



原作小説について



 原作は、51年前(*2)の1969年にマイケル・クライトンが発表した小説「アンドロメダ病原体」(*3)である。当時クライトンは、ハーバード・メディカルスクールで医学博士号を取得し、カリフォルニア州ラホヤのソーク研究所で研究生として働きながら、小説を書いていた。


 「アンドロメダ病原体」は、クライトンの医学知識と経験がベースとなっているため、細部の描写が極めて具体的である。また、実際に起きた事件のレポートというスタイルを採っており、要所要所にコンピューター画面のハードコピーや、結晶構造のスケッチなどが図版として載っているなど、フェイク・ドキュメンタリーとしての巧みな趣向が凝らされている。


*2 米国では、2019年11月に原作小説50周年を記念して、ダニエル・H・ウィルソン執筆による続編小説「The Andromeda Evolution」が出版された。クライトンとの共著という形式になっているが、彼は2008年に亡くなっている。偶然にもコロナ禍を予測したようなタイミングであり、邦訳「アンドロメダ病原体-変異-」も2020年5月26日に発売された。内容的には、読者の想像を遥かに上回るスケールの物語で、ぜひ一読をお勧めする。


*3 この原作は、2008年に4話からなるテレビミニシリーズ『アンドロメダ・ストレイン』としてリメイクされている。



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