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『アンドロメダ…』パンデミックを予言!?未知の病原体と対峙するハードSF (後編)

(c)Photofest / Getty Images

『アンドロメダ…』パンデミックを予言!?未知の病原体と対峙するハードSF (後編)

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『アンドロメダ…』あらすじ

アメリカ中西部の小さな町に人工衛星が墜落。機体に付着した未知のウイルスが原因で、住人は生まれたばかりの赤ん坊と、アル中の老人を除いて全滅。遺体の血液は全て粉末状に変化していた。細菌汚染の拡大を恐れた軍部は、科学者の中から各分野のスペシャリストを召集。ストーン博士をリーダーとする研究班を組織して、砂漠の地下施設へと送り込むが・・・。



 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、未知の病原体の危険性を描いた映画『アンドロメダ…』に再度注目が集まっており、2020年5月26日には原作小説の続編「アンドロメダ病原体-変異-」も発売された。後編となる今回は、ポストプロダクションを中心に解説する。


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視覚効果



 『アンドロメダ…』(71)における視覚効果を手掛けたのは、映画公開時にまだ29歳だったダグラス・トランブルと、ドキュメンタリー・カメラマンの経験を持ち、エンジニアでもあったジェームズ・ショート(*1)だった。


 トランブルは、『2001年宇宙の旅』(68)でスペシャル・フォトグラフィックエフェクト・スーパーバイザーを務めた、4人の内の1人である。彼は英国で『2001年宇宙の旅』の作業を終えると、急いで帰国した。ひどいホームシックになっていたのと、スリットスキャンに関する特許のイザコザで、キューブリック監督や上司であったコン・ペダーソンと対立したのも、英国に居辛くなった理由である。


『2001年宇宙の旅』予告


 そしてトランブルの頭の中には、『2001年宇宙の旅』で培った技術をハリウッド映画に活かしたい」という野望が芽生えていた。しかし当時のハリウッドは、大半の撮影所が特撮部を閉鎖しており、かろうじて残していた20世紀フォックスやディズニーも、そのやり方は旧態依然としていた。とは言え、トランブルが主張するような新しい技法には、誰も耳を傾けてくれない。


*1 ジェームズ・ショートは『アンドロメダ…』の後は、『スター・ウォーズ』(77)、『ブルース・ブラザーズ』(80)、『フライングハイ』(80)、『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(80)、テレビシリーズ『コスモス』(80)などに参加している。



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