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『ハンガー・ゲーム』中高生が見る夢は、ポップスターの革命家

『ハンガー・ゲーム』中高生が見る夢は、ポップスターの革命家

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ハリー・ポッターを通過した子供たちへ



 小説「ハンガー・ゲーム」がハリー・ポッターを読み終えた中高生に向けられたものだというのは上記した通りだが、映画版も同じ様に、映画版ハリー・ポッターシリーズを経た中高生たちへ向けられている。公開時期も、ハリー・ポッターシリーズ最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の公開が2011年の7月。そして『ハンガー・ゲーム』が2012年の3月で、まさに“ハリー・ポッター・ロス”を狙いすましたタイミングである。


 映画のハリー・ポッターシリーズ。最初の2本は子供演出に長けた、言わずと知れた『ホーム・アローン』(90)の監督クリス・コロンバスによるものだが、物語に暗雲が立ち込み始める3作目では『ROMA/ローマ』(18)のアルフォンソ・キュアロンが。4作目で『フェイク』(97)や『狂っちゃいないぜ』(99)のマイク・ニューウェル。5作目以降はイギリスのサスペンス・スリラードラマを手がけたデヴィッド・イェーツが。腐敗と陰謀が暗躍するホグワーツを、霧の立ち込める湿気の強い映像で描いていった。


 映画版ハリーポッターは子役たちの成長に合わせて、陰鬱で複雑なタッチへ変化し、明るい未来こそ観せたものの、破壊的かつ劇的な終焉を迎えた。しかも、優れた映像と、常に注視に晒されたことで磨かれた、ハリー:ダニエル・ラドクリフやハーマイオニー:エマ・ワトソンらの優れた演技によってである。



 その優れた作品を見慣れた中高生に向けるのだから『ハンガー・ゲーム』製作陣のプレッシャーもひとかたならぬものであっただろう。集められたスタッフとキャストからも、そのプレッシャーの大きさが窺い知れる。


 『ハンガー・ゲーム』監督に抜擢されたのはゲイリー・ロス。トム・ハンクス主演の名作『ビッグ』(88)の脚本を手がけ、大統領の影武者の奮闘を描く『デーヴ』(93)でアカデミー脚本賞にノミネート。トビー・マグアイアとリース・ウェザースプーン共演の『カラー・オブ・ハート』(98)で監督デビュー。2作目の『シー・ビスケット』(03)では早速アカデミー作品賞へのノミネートを果たす才能を見せつけていた。撮影には『ブラッドワーク』(02)以降のクリント・イーストウッド監督作を担当したトム・スターン。編集に『トラフィック』(00)のスティーヴン・ミリオンと『オーシャンズ8』(18)のジュリエット・ウェルフリング。


 主演のジェニファー・ローレンスは『ハンガー・ゲーム』出演時点で、主演作『ウィンターズ・ボーン』(10)での父を亡くした寄る辺ない少女役の演技により、アカデミー賞を始め世界中の映画祭の主演女優賞を独占する女優であった。



 共演にはウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、レニー・クラビッツ(!)、スタンリー・トゥッチ、トビー・ジョーンズ、そして憎きスノー大統領役に名優ドナルド・サザーランド。次作『ハンガー・ゲーム2』(13)ではフィリップ・シーモア・ホフマンまで引っ張りだし、名実ともに実力派と呼べる、うるさ型をも黙らせるスタッフとキャストを揃えた布陣だ。そうした一級のメンツで、大ヒット原作を映像化したのが映画『ハンガー・ゲーム』なのである。



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