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『ディープ・インパクト』SFの域を超える感動の衝撃波が生まれた背景とは

(c)Photofest / Getty Images

『ディープ・インパクト』SFの域を超える感動の衝撃波が生まれた背景とは

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映画『地球最後の日』と小説「神の鉄槌」



 ここで映画『地球最後の日』を改めて鑑賞してみると、なるほど、『ディープ・インパクト』と似ている。最初に天文台での「発見」があり、この絶望的な予測をめぐって様々な激論が交わされた後、滅亡の道から生き延びるための「ノアの方舟」にも似た宇宙船の建造が始まる。ただし、搭乗できる人数はごくわずか。その選考結果をめぐって反乱が起こるなど、かなりシビアな展開が次々と巻き起こる。


 これに加えて、公開時に話題となった視覚効果は、全体にまんべんなく、という感じではなく、むしろ溜めて、溜めて、後半のしかるべき箇所で、ほぼピンポイントで映画を席巻する。こういった構成にも『ディープ・インパクト』と通底するものがひしひしと感じられるではないか。



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 これに対して、小説「神の鉄槌」の舞台は2109年、小惑星の地球衝突を回避すべく、宇宙船の乗組員たちに軌道を変えるためのミッションが下されるという内容。


 ということは、つまり『ディープ・インパクト』の地上パート(とりわけ、人類生き残りをかけたシェルター建造)には映画『地球最後の日』のエッセンスが盛り込まれ、また、宇宙飛行士たちが命をかけて任務に当たるパートには「神の鉄槌」のエッセンスが注ぎ込まれている――――と考えるのが筋だろう。


 どちらも最終的には『ディープ・インパクト』の原作としてのクレジットからは外れている。もはや原作と呼べるほどの原型をとどめていないのがその理由だと考えられるが、それでもなお、作品を見比べる/読み比べると、これらが与えた影響の残り香は確かに感じる。もしもこの二作がなかったら『ディープ・インパクト』の周到な二段構えの骨格は獲得されないまま、薄っぺらで場当たり的なパニック物に仕上がっていたのではないだろうか。



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