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『メッセージ』製作陣がエンディング変更を余儀なくされた傑作SFとは?

『メッセージ』製作陣がエンディング変更を余儀なくされた傑作SFとは?

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『宇宙戦艦ヤマト』にも通じる“あの贈り物”



 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による2016年米国公開作『メッセージ』のエンディングは、テッド・チャンの原作小説『あなたの人生の物語』とは異なっている。ただし、脚本家のエリック・ハイセラーは当初、小説とも最終決定版とも違うエンディングを考えていた。


 本作の中盤、異星人ヘプタポッドの言語の理解が少しずつ進み出した段階で、彼らの目的を語る言葉が「武器(weapon)を提供すること」と翻訳されたとき、対応する各国チームの緊張が一気に高まる。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、「武器」と訳された彼らの言葉は、もしかすると「道具」の意味かもしれないと主張する。




 ラスト近くで明かされる、ヘプタポッドが人類に提供する“もの”こそが、製作の途中で大幅に変更された要素だ。ハイセラーはインタビューの中で、こう振り返っている。


「脚本の初期のバージョンでは、ヘプタポッドが恒星間航行船の設計図を残して去っていくことになっていた。ある種の方舟のような」


 その後、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』が2014年に公開される。この作品では、異常気象により人類滅亡の危機が迫る地球で、別の銀河に入植するために必要な重力制御を研究する女性研究者マーフ(ジェシカ・チャステイン)が、ある時空を超えた存在から重要な情報を手に入れる。その結果、恒星間(インターステラー)航行が可能になる――という展開に、ハイセラーたち『メッセージ』製作陣は当時の脚本だと似た結末の印象を与えてしまうことを懸念し、改稿に取り組んだのだった。




 SFのストーリーには、異星人や未来の人類などの「高次の存在」から進んだ技術や知識を授けられるという一つの類型がある。恒星間航法に関して言えば、日本人に馴染み深いのは『宇宙戦艦ヤマト』だ。放射能汚染で絶滅の危機に瀕していた人類は、イスカンダル星人から波動エンジンの設計図を贈られ、戦艦大和にこのエンジンを搭載して恒星間航行へ旅立つ。


 こうした物語の類型を『メッセージ』と共有する代表的なSF映画をいくつか見ていこう。



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