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『クイーンズ・ギャンビット』世界中を熱狂の渦に巻き込んだ、新世代のビルドゥングス・ロマン ※注!ネタバレ含みます。

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『クイーンズ・ギャンビット』世界中を熱狂の渦に巻き込んだ、新世代のビルドゥングス・ロマン ※注!ネタバレ含みます。



※本記事は物語の結末に触れているため、ドラマをご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


世界中にチェス・マニアを急増させた、記録破りの大ヒットドラマ



 何でも世間では、「鬼と化した妹を人間に戻すため、主人公の少年が剣術の修行に身を費やし、次々と強敵を倒す」というバトル漫画が人気のようである。発行部数は優に1億万部を突破し、劇場アニメは『千と千尋の神隠し』の興行収入を超える勢いだそうな。


 しかしドラマの世界では、それ以上のメガヒット作品が世界を席巻している。「天涯孤独な少女が天才的なチェスの才能を発揮して次々と強敵を倒す」という、ある意味これもバトルもの。将棋に置き換えれば、「ヒカルの碁」とか「ハチワンダイバー」とか「月下の棋士」系。そう、Netflixオリジナルドラマ『クイーンズ・ギャンビット』である。


 2020年10月23日に世界配信されると、わずか28日間で6,200万世帯の視聴を記録(もちろん、1シーズンのみで完結するドラマとしては史上最高の視聴回数)。63カ国でランキング1位に輝き、92カ国でトップテン入り。レビューサイトのRotten Tomatoesでは驚異のスコア99%を叩き出し、ニールセンによるストリーミング・チャートでは3週連続1位。空前の大ヒットで、世界中にチェス・マニアが急増。配信開始からチェス盤の売り上げが170%もアップしたというデータもあるくらいだ。




 簡単に概要をおさらいしておこう。舞台は、冷戦期真っ只中の1950〜60年代アメリカ。児童養護施設で育った孤児のハーモンは、用務員のシャイベルからチェスを学び、天才的なチェスの才能を開花させる。やがて彼女はウィートリー夫妻に引き取られるが、養父が失踪してしまいたちまち生活苦に。苦境から脱するために、ハーモンは賞金目当てにチェスのコンテストに出場。見事優勝した彼女は、義母アルマと共に世界中を駆けずり回り、チェス界のスターダムにのし上がっていく…というお話。


 原作は、『ハスラー』(61)や『地球に落ちてきた男』(76)などで知られる作家ウォルター・テヴィスが、1983年に発表した同名小説。人気作家の作品とあって、出版されるやいなや映画化権が獲得されたが、そこからプロジェクトは遅々として進まず。監督にベルナルド・ベルトルッチやウォルター・ヒルなどの名前が上がっては消え、『ダークナイト』(08)のジョーカー役で知られる俳優ヒース・レジャーが監督するプランも持ち上がったが、迷走してはお蔵入りを繰り返すばかりだった。


 およそ40年にわたる紆余曲折を経て、最終的に『クイーンズ・ギャンビット』の脚本・監督を手がけることになったのは、スコット・フランク。『アウト・オブ・サイト』(98)、『LOGAN/ローガン』(17)で2度アカデミー脚色賞にノミネートされた実績を持つ才人だ。



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