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『クリープショー』スティーヴン・キングの人間描写と、ジョージ・A・ロメロの卓越した演出、そして、あの虫の大群

© 2018 Paramount Pictures.

『クリープショー』スティーヴン・キングの人間描写と、ジョージ・A・ロメロの卓越した演出、そして、あの虫の大群

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 「日本のコミック」と一言で言っても、「鬼滅の刃」などの子ども向けから「闇金ウシジマくん」などの大人向けまで、そのジャンルの幅広さについては、多くの人が認識していることだろう。


 一方「アメリカのコミック」と言った場合は、私たちは反射的に、スーパーマンやスパイダーマンのような、いわゆる「アメコミ」を思い浮かべると思う。しかし「日本のコミック」同様「アメリカのコミック」も、そのジャンルは多岐にわたっている。


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ホラー・オムニバス『クリープショー』



 嵐の夜。父親にお気に入りのホラーコミックを捨てられてしまった少年。悪態をつき自室に閉じこもっていると、強い風が窓をたたき、その奥から肉の刮げた不気味な人物が現れる。捨てられてしまったコミックの“ホスト”を務める「クリープ」だ。少年が恍惚とした表情でクリープを見上げていると、捨てられたコミックが風にめくられ、これから語られる物語「父の日」のページが開く。


 こんな導入で始まる映画『クリープショー』(82)は5篇からなるホラー・オムニバスである。ホラーとオムニバス形式の相性は良く、ロジェ・ヴァディム、ルイ・マル、そしてフェデリコ・フェリーニが競作した『世にも怪奇な物語』(67)を始め、撮影監督としてアカデミー賞を獲得したフレディ・フランシスの『残酷の沼』(67)。小泉八雲の原作を小林正樹が監督した『怪談』(65)など数多く製作されている。スピルバーグも『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)と『世にも不思議なアメージング・ストーリー』(TVドラマ:85-87)の2作品を残した。


『クリープショー』予告


 そんな歴々たるホラー・オムニバス映画群の中でも、ひときわ猥雑で、しかし奇妙に上質な詩情を漂わせるのが『クリープショー』である。


 上記した本作オープニングに登場する少年を演じているのは、ジョー・キング。脚本を担当したスティーヴン・キングの実子で、現在は父親同様のホラー作家「ジョー・ヒル」として有名である。スティーヴン・キング自身も本編の第2話『ジョディ・ベリルの孤独な死』でタイトルロールのジョディ・ベリルを演じており、先に出演が決まっていたキングが撮影中に息子と過ごしたくて、ジョーに役を割り当ててもらったそうだ。休憩中にはジョーに切り傷やかさぶたの特殊メイクを施してもらい、2人でマクドナルドのドライブ・スルーに入り、警察に通報されるなど、楽しく過ごしていたようである。


 また、スティーヴン・キングが撮影している間、特殊メイクを担当したトム・サヴィーニにジョーは預けられ、サヴィーニがゾンビやモンスターを造る様子を、日がな一日眺めていたそうだ。現在の彼の活動も、この時の“英才教育”が強く影響したとは、本人の弁である。





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