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『ニキータ』フランス映画の伝統を汲み、傑作となりえたリュック・ベッソンの分岐点

© 1990 Gaumont (France) / Cecchi Gori Group Fin. Ma. Vi -srl

『ニキータ』フランス映画の伝統を汲み、傑作となりえたリュック・ベッソンの分岐点

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『ニキータ』あらすじ

仲間とともにドラッグストアに押し込み強盗に入った不良少女ニキータは警官を射殺して終身刑を宣告される。しかし、その生存本能に目を付けた諜報機関の幹部ボブが、暗殺任務を含む特殊工作員として彼女を養成。生まれ変わり社会に復帰した彼女はミッションをこなしていくが、やがて恋人マルコとの穏やかな私生活と過酷な仕事の間で苦悩に追い込まれる。


Index


ベッソン版ヒロイン・アクションの原点



 今やフランスの国民的な映画監督として名を馳せるリュック・ベッソン。映画人としてのキャリアはすでに40年以上におよび、自身のスタジオ、ヨーロッパ・コープを基盤にしながら、監督としてのみならず脚本家、プロデューサーとしてハリウッドでも映画製作を手がけるヒットメーカー。


 近作『ANNA/アナ』(19)もそうだったが、ベッソン作品を語るうえでヒロイン・アクションというジャンルは欠かすことができない。『アデル/ファラオと復活の秘薬』(10)『LUCY/ルーシー』(14)はもちろん、歴史ドラマ『ジャンヌ・ダルク』(99)にも少なからずそのエッセンスが含まれていた。製作・脚本作品では『バンディダス』(06)『コロンビアーナ』(11)も忘れるわけにはいかない。その流れの原点として、誰もが認めるのが『ニキータ』(90)だ。


『ニキータ』予告


 『ニキータ』が自身の分岐点となった作品であることは、ベッソン自身も認めているし、一方で本作をお気に入りのベッソン作品に挙げるファンも少なくない。では、この映画のどこが特別なのか?本稿では、改めてこの傑作の魅力に迫ってみようと思う。


 まずは簡単に物語をおさらい。仲間とともにドラッグストアに押し込み強盗に入った不良少女ニキータは警官を射殺して終身刑を宣告される。しかし、その生存本能に目を付けた諜報機関の幹部ボブが、暗殺任務を含む特殊工作員として彼女を養成。生まれ変わり社会に復帰した彼女はミッションをこなしていくが、やがて恋人マルコとの穏やかな私生活と過酷な仕事の間で苦悩に追い込まれる。



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