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『スラムドッグ$ミリオネア』波乱万丈の人生を3構造で力強く肯定する

(c)Photofest / Getty Images

『スラムドッグ$ミリオネア』波乱万丈の人生を3構造で力強く肯定する

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『スラムドッグ$ミリオネア』あらすじ

ムンバイのスラム街で育った少年ジャマールは、世界最大のクイズショー「クイズ$ミリオネア」で快進撃を見せ、最後の1問まで到達。間違えれば、一文無し。正解すれば、番組史上最高額の賞金を手に入れる。残り一問まで辿り着いた〈スラムの負け犬:スラムドッグ〉が全てを賭けて出した、人生の“ファイナル・アンサー”は―?


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攻めの姿勢を忘れないダニー・ボイル



 90年代、『トレインスポッティング』(96)で社会現象と呼べるほどの旋風を巻き起こしたダニー・ボイル監督。だがその後に続く『普通じゃない』(97)から『サンシャイン2057』(07)までの約10年間は苦難の連続だったと言っていい。


 しかし彼の人生がエネルギッシュに見えるのは、こういう低迷期でも決して守りに入ることがないからだろう。その攻めの姿勢がようやく身を結んだのか、これまでタッグを組んできた製作者アンドリュー・マクドナルドから離れ、まさかのインドに乗り込んで撮った画期的な一作『スラムドッグ$ミリオネア』(08)で、ボイルはアカデミー賞作品賞をはじめ8つのオスカーを獲得することになる。まさしく起死回生の大噴射である。本作については、彼自身も「自分のキャリアの新たなスタートのように思えた」(*)との言葉を残しているほどだ。


『スラムドッグ$ミリオネア』予告


 元々この企画は、原作の映画化権を取得したプロデューサーが、英国随一の書き手として知られるサイモン・ボーフォイに脚本を依頼したことで始まった。ボーフォイといえば『フル・モンティ』(97)の生みの親(脚本家)。一説によると、この映画の大ファンだったボイルは、ボーフォイが手がけた脚本だからという理由で『スラムドッグ』に興味を示し、脚本を読んで「ぜひやりたい!」と心を決めたとか。こうして、90年代の英国映画黄金期に名を馳せた2人による夢のタッグが実現することになる。


*引用:https://jp.reuters.com/article/instant-article/idINIndia-36427720081110




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