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『アポロ13』宇宙空間における絶望的状況を乗り越えた、愛すべき不屈の物語

(c)Photofest / Getty Images

『アポロ13』宇宙空間における絶望的状況を乗り越えた、愛すべき不屈の物語

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”史実”に基づく「苦難の物語」



 時は1970年4月。アポロ13号は人類史上3度目となる月面着陸を目指して飛び立ったものの、宇宙空間で深刻な異変に見舞われ、地球への帰還がままならない極めて厳しい状況に陥る。しかし、ジム・ラヴェル船長をはじめとする3人のクルーやヒューストンの管制センターのスタッフたちは諦めることなく、全ての力を結集させて一つ一つのトラブルに立ち向かっていくーー。


 映画『アポロ13』(95)は、”史実”に基づく大いなる「苦難の物語」だ。と同時に、宇宙空間というフロンティアで起きた試練を人間が自らの力で制御し乗り越えたという点では、これは輝かしい「不屈の物語」とも言える。



『アポロ13』(c)Photofest / Getty Images


 ここで”史実”という面を強調したのには理由がある。ロン・ハワード監督によると、かつて作品名や内容を知らせずにこの映画のテスト試写を行った際、観客の満足度は軒並み高かったのに、一人だけ手厳しい評価を下す人がいたそうだ。アンケート用紙を見ると、結末がいかにもハリウッドのご都合主義的な作りであるのを批判し、「彼ら(クルーたち)が生き残るなんてありえない!」との文字。つまりこの人は本作が史実に基づいていることを全く知らなかったのだ。


 時が経つに従って史実を知らない人は増えていく。それこそ、本作の誕生から28年もの月日が流れた今、動画配信サービスを介してまっさらな状態でこの映画と巡り合う人も多いはず。今この瞬間、初めて同作に触れる人は、半世紀以上も前に起こった出来事をどう受け止めるだろう。そして本作から何を感じ、何を学ぶだろうか。





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