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『インナースペース』SF、バディムービー、アクション、コメディ、80年代特有のごった煮感をスマートに昇華
※2018年9月記事掲載時の情報です。
『インナースペース』あらすじ
アメリカのある研究所で世紀の大実験が始まろうとしていた。元パイロットのタックは実験用のポッドに入り、ミクロサイズに縮小される。そしてそのままウサギの体内に注入され・・・・・・のはずが、その時マイクロ・チップを狙うスパイが乱入。追い詰められた所長は、手にあった注射器を通りすがりの男ジャックに発射してしまった・・・・・・!!
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観る者のサイズ感覚を揺さぶるハリウッド大作
映画の鑑賞中、突如として全く別の作品の記憶が呼び覚まされるのはよくあることだ。私の場合、つい最近だと現在公開中の『アントマン&ワスプ』でそれに見舞われた。決してストーリーやキャラクターがかぶっているわけでもないのに、幼少期に観た映画の記憶が電流に打たれたかのように蘇ってきたのだ。なんだ、この感じ・・・この記憶・・・あれ、なんていう映画だっけ・・・?
脳内から『インナースペース』というタイトル名が聞こえてくるまでにそう時間はかからなかった。なんと懐かしい響きなことか。この映画の公開は1987年。今からもう31年前の映画ということになる。でもどうして、私はこの映画のことを思い出したのだろう。大人になった今改めて本作を鑑賞してみて、その理由がわかった気がした。
言うまでもなく、両作は”人が小っちゃくなる”という点で共通している。そしてなおかつ私の記憶を刺激してやまなかったのが、サンフランシスコの街を爆走するカーアクションのシーン。『インナースペース』には悪者がとある理由により”子供の大きさ”にサイズ・チェンジし、車の後部座席から前席の主人公とヒロインに襲いかかるというくだりがあるのだが、幼少期の私は、このトリックアートに迷い込んだかのようなサイズ感にたまらなくゾワゾワさせられたものだった。それゆえ、最新作『アントマン&ワスプ』で同じ街をサイズ・チェンジしながら疾走する動線に、当時の懐かしくも奇妙な感覚を思い出してしまったのだろう。