2025.07.24
『スーパーマン』あらすじ
大手メディア「デイリー・プラネット」で平凡に働くクラーク・ケント、彼の本当の正体は人々を守るヒーロー「スーパーマン」。子どもも大人も、愛する地球に生きるすべての人を守り救うため、日々戦うスーパーマンは、誰からも愛される存在。そんな中、彼を地球の脅威とみなし暗躍する、最高の頭脳を持つ宿敵=天才科学者して大富豪、レックス・ルーサーの世界を巻き込む綿密な計画が動き出すー。
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シナリオライターとして観た『スーパーマン』の凄さ
お疲れ様です。ライターの加藤よしきと申します。普段はゲームのシナリオを書く仕事をしておりまして、昨年末に短編集「たとえ軽トラが突っ込んでも僕たちは恋をやめない」も出せました。そんな文筆業の末席も末席にいる私ですが、驚愕した映画がありまして。ちょっと緊急でこのコラムを書いています。その映画とは、絶賛公開中の『スーパーマン』(25)であります。
普段こちらのCINEMORE様では、監督の発言や制作背景を中心に、映画について書いているのですが、今回はシナリオライターとしての視点から、この映画の凄さを書かせてもらおうと思います。
『スーパーマン』(c) &TM DC(c)2025 WBEI
と言うのも……、そりゃ本作より脚本に凝っている作品はあるでしょう。ただ、本作はハリウッドの超大作映画、しかもスーパーマンという超有名キャラクターを使った映画である点が非常に珍しく、なおかつ物凄いと思うわけです。映画の製作費だけでも三桁億円、この映画を中核とした商売の規模を考えたら、もっと凄い額の金が動いています(私が主戦場とするゲームの現場は、予算で見比べれば本作の数百分の一の規模でしょうか)。とにかく滅多にない規模の映画です。そういう映画を作るうえで、本作は100点満点の脚本だったと思うわけです。
というわけで、今回は個人的にシナリオ的に凄いなと思ったポイント、特に「頑張れば再現できるけど、その頑張るのが凄く難しい」という、絶妙な難易度の2箇所について書いていきます。最後までお付き合いいただければ幸いです。