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『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』アカデミー賞視覚効果賞を受賞したVFXスタッフの苦労と悲劇とは

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『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』アカデミー賞視覚効果賞を受賞したVFXスタッフの苦労と悲劇とは

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『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』あらすじ

1960年代初めのインド ポンディシェリで生まれた少年パイ・パテルは、父が経営する動物園で動物たちと触れ合いながら育つ。ところが、パイが16歳になった年、人生が一転する。両親がカナダ モントリオールに移住することを決め、家族と動物たちは貨物船でカナダへ向かうのだが、太平洋のど真ん中で突然の嵐に見舞われ沈没してしまう。たった一人、救命ボートにしがみつき一命を取り留めたパイ。しかし、そのボートにはリチャード・パーカーと名付けられた凶暴なベンガルトラが身を潜めていたのだった……。小さなボートと僅かな非常食、そして一頭のトラ。果たしてトラは少年の命を奪うのか、それとも希望を与えるのか!? かくしてパイと一頭のトラとの227日にも及ぶ想像を絶する漂流生活が始まった。



 2012年に公開されたアン・リー監督の『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』は、幻想的な美しい3D映像と感動的なストーリーが話題となり、2012年のアカデミー賞で11部門にノミネートされ、監督賞を始めとして4部門で受賞した。


 特に話題となったのは、ほとんどがCGで描かれたベンガルトラの「リチャード・パーカー」のリアリティで、当然アカデミー賞視覚効果賞も受賞している。しかしその授賞式会場で、VFXスタッフは屈辱的な仕打ちを受けていたのである。


『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』予告


Index


ビル・ウェステンホファーの参加



 フォックス2000ピクチャーズは、肝心のトラの具体的な撮影技法の選択に入る。そしてVFXスーパーバイザーに『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』(05)や『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(07)などで、フォトリアルなCGアニマルを成功させた、ビル・ウェステンホファーを選んだ。というのは、狭い空間において本物のベンガルトラと少年をずっと共演させることは、保険会社が許さなかったからで、どうしてもCGで動物たちを表現する必要があったからだ。


 ウェステンホファーが見積もった結果、総尺2時間7分の内、1時間26分に690カットのVFXが必要になると判断された。



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