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『オーシャンズ11』インディーズの鬼才スティーヴン・ソダーバーグとハリウッドの大物が生んだオールスター映画

『オーシャンズ11』インディーズの鬼才スティーヴン・ソダーバーグとハリウッドの大物が生んだオールスター映画


“ラスベガスの法王”ジェリー・ワイントローブ



 しかし『オーシャンズ11』成功の一番の立役者は、自身のスタイルを守りつつメジャーで通用する娯楽大作をものにしたソダーバーグでも、主演兼スターたちのまとめ役として陰日向になって活躍したクルーニーでもなかった。


 ベテランプロデューサーのジェリー・ワイントローブの存在なしに、ラスベガスの巨大カジノで現金強奪計画を遂行するハイストムービー(強盗映画)を撮ることは叶わなかった。少なくとも、本作の撮影隊に異例の厚遇と自由を与えられることはなかったはずだ。


 本作に登場するカジノホテルのほとんどはラスベガスに実在しており(例外として爆破解体されるホテルは架空のもの)、基本的に24時間営業のラスベガスのカジノで撮影許可を取り付けるのは非常に難しい。しかしワイントローブは当時のオーナー、スティーヴ・ウィンと友人ということで協力を取り付け、映画の舞台となったカジノホテル“ベラージオ”のカジノ面積の1/4~1/3を撮影に使う許可を取り付けたのだ。カジノが生み出す莫大が収益を思えば、とてもじゃないがあり得ない協力体制だ。




 ただし、『オーシャンズ11』の製作途中にスティーヴ・ウィンは取締役員会から追われて大富豪で実業家のカーク・カーコリアンにベラージオを売却。しかしそれでも撮影は影響なく続行された。なぜならワイントローブがカーコリアンとも親しい友人だったから。1980年代にワイントローブはユナイテッドアーティスツのCEOに就任したが、ワイントローブを抜擢したのが当時MGM/UAを所有していたカーコリアンだったのだ。


 ほかにも、ベラージオの表玄関、隣接する別経営の巨大カジノリゾート、シーザーズ・パレスの表玄関などで撮影が行われた。撮影隊は実物に似せた巨額のセットを建設することもなく、本物のロケーションをほとんど好き放題に使うことができた。これもすべてワントローブのコネクションが物を言った。まるで『ゴッドファーザー』のマフィアのドンである。ブラッド・ピットはワイントローブに“ラスベガスの法王”とあだ名を付けていたという。



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