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映画とウイスキーの意外な関係とは!?

(c)Photofest / Getty Images

映画とウイスキーの意外な関係とは!?

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ウイスキーの出てくる映画は数あれど、その役割は映画によって様々。美味しく飲まれるウイスキーから、意外な?使われ方をするウイスキーまで。今夜は、ウイスキーの出てくる名場面を観ながら、一杯やってみてはいかがだろうか。


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『お熱いのがお好き』(59)

水まくらでシェイクしたマンハッタン




監督:ビリー・ワイルダー 出演:トニー・カーチス、ジャック・レモン、マリリン・モンロー



お酒と言えばパーティだ!


しかし、かつてアメリカではお酒を全面的に禁止した「禁酒法」なる悪法が施行され、おおっぴらにお酒を楽しむことは出来なかった。ただ、そんな時代でも庶民は様々な方法でアルコールを嗜んでいたようだ。マリリン・モンローとビリー・ワイルダーの代表作『お熱いのがお好き』は、そんな禁酒法時代を舞台にした傑作で、禁制品だった頃のお酒の魅力に溢れた作品だ。


のっぴきならない理由でギャングに追われる身となってしまったバンドマンのジョーとジェリー。二人は女装して女性楽団のマイアミ遠征のツアーに潜り込む。そこで出会った歌手のシュガーに一目惚れ。寝台列車のジェリーのベッドに潜り込んできたシュガーに「お酒でもいかが?」と誘うのだが、お酒があることを他の楽団員に見つかり、あれよあれよと人が集まり、狭いベッドにミッチリ女性ばかりが集まってのパーティが始まってしまう。


ここでみんなが作るのは、ウイスキーベースのカクテル「マンハッタン」。ウイスキー2/3にスイートベルモットを1/3。ビターズを1滴たらしチェリーを沈めるのが本来の「マンハッタン」で、「バーテン泣かせ」の異名を持つほど、作るのがムズかしいと言われている。


そんなムズかしいカクテルだが、この映画では、ドラムスティックをアイスピック替わりに氷を砕き、水まくらにお酒を入れシェイクするなど、かなり乱暴に作ってしまう愉快な場面を生み出している。


シカゴのバンドマンだったジェリーたちの出自と時代背景を鑑みれば、この時のウイスキーはカナダから密輸した物、ということになるだろう。禁酒法時代、シカゴと湖を挟んだ対岸カナダのオンタリオ州には「カナディアン・クラブ」のハイラム・ウォーカー社と「セブン・クラウン」のシーグラム社が蒸留所を持ち、アメリカでは製造ができなくなったウイスキーを密輸し、莫大な利益を得ていたそうである。


ちなみに、シカゴの有名なギャング、アル・カポネがカナダからウイスキーを密輸する様子は『アンタッチャブル』(87)でも描かれている。


ただし、『お熱いのがお好き』の撮影で使われたボトルには「リバー・ボート・ウイスキー」というケンタッキー・バーボンのラベルが貼られていたので、小道具としては大雑把なものだったようである。



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