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『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

向かって左:佐藤現プロデューサー、右:川尻将由監督

『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

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「映画館でかかる映画を作る」が自分たちの最高峰



Q:NetflixやABEMAなどの動画配信サービスやテレビ、YouTube等の形態もあるかと思いますが、クラウドファンディングをしてまで「劇場公開」にこだわったのは何か理由があるのでしょうか?


佐藤:アニメでも実写でも、なんでもそうなのですが、僕にとって「映画館でかかる映画を作る」が最高峰であり第一義なんですよ。映画館で育ってきた世代なのでその感覚は自分に染み付いていて、暗闇でみんなで同じものを観て何か受け取るという行為に、最も魅力を感じているんです。逆に、できないんだったらどうする?と考える形ですね。


川尻:たしかに、SNSで発表して盛り上がるというのはありますよね。ひょっとしたら僕は「アニメ映画監督になりたい」と思う最後の世代なのかもしれません。ただ若い人たちがSNSで発表している作品の中にも実はシネスコサイズのものもあるし、「映画らしさって何だろう?」は最近よく考えます。その中でやっぱり、自分は昔から映画が好きだったし、様々に枝分かれしている樹形図の先端でいたい、という想いはありますね。


佐藤:映画館でかけた後でネットでもテレビでも流せるし、なんでもできると思うんですよね。海外の映画祭にかけることもできるし、映画は大元として最も汎用性が高い気はします。



向かって左:佐藤現プロデューサー、右:川尻将由監督『CHERRY AND VIRGIN』


川尻:とはいえ、映画自体が伝統芸能の世界に近づいていっているという感覚はありますね。クリエイターとしては時代に合わせて様々な表現を模索していけば良いかとは思いますが、僕個人は映画館でかけたい、という気持ちは強いです。


SF小説家を目指していた自分の知り合いが紆余曲折あって30歳から落語家になったのですが、その人のおかげで僕も覚悟が決まりました。自分は映画への信仰心がまだまだ足りていない!と思えたんですよね。だからいまは、これから滅びようとも映画監督になりたいです。


Q:それこそ、原監督も『はじまりのみち』 (13)で実写映画を撮っていますし、「アニメだから」「実写だから」という垣根はどんどんなくなって来ているように感じます。そういった中で、川尻監督の「実写・漫画・アニメ」がミックスされたスタイルは、汎用性が高い。


佐藤:うんうん。そうですよね。




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