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『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

向かって左:佐藤現プロデューサー、右:川尻将由監督

『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

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目指すはA24。商業と芸術の両立を!



Q:川尻監督は、商業主義と作家性についてどうお考えですか?


川尻:内にこもったアート映画を作っているだけでは途絶えていくだけですし、商業的にも結果を出せたらと思いますね。僕はA24がずっと羨ましいのですが、日本ではできないのか?と考えているんです。岩井澤監督とは「我々はオルタナティブアニメを作っている」と話しているのですが、バカ売れしている漫画原作のアニメとはまた違った路線で、異質なものをやっていきたい。このジャンルが絶えずに続いていけばと思っています。家族で観られるメジャーの夏休みアニメもあれば、こうしたちょっと変わった軸のアニメもあっていい。自分はそこで作品を作っていきたいですし、そのためには、ちゃんと売れなければならない。


Q:「A24」というたとえ、非常にしっくりきます。余談ですが、川尻監督のお好きなA24作品は?


川尻:『アンダー・ザ・シルバーレイク』ですね。主人公が他人事と思えないんですよ。僕もそうだし、大阪芸大で売れ切らずにクリエイター志望を続けている連中が知り合いにいっぱいいるんです。『アンダー・ザ・吉祥寺』や『アンダー・ザ・下北沢』がいっぱいいますから(笑)。

僕ら世代がもっと広めていかないと、カルト映画にならないんじゃないかと思っていますし、好きな人は相当好きだと思うので、もっと皆さんに観てほしいですね。



アニメーション作家:川尻将由

1987年生まれ、鹿児島県出身。大阪芸術大学在学中、原 恵一監督作などに影響を受け、アニメーション制作を志す。アニメスタジオに勤務後、映像制作会社を起業。2018年に発表した自主制作の短編アニメーション『ある日本の絵描き少年』は、監督・脚本・絵コンテを手掛け、第40回ぴあフィルムフェスティバル準グランプリ、第74回毎日映画コンクール大藤信郎賞など数多の映画祭で受賞を果たした。



プロデューサー:佐藤現

1971年生まれ、大阪府出身。94年に東映ビデオに入社し、映画やテレビ番組の製作に携わる。主なプロデュース作品に『おろち』(08)、『ノン子36歳(家事手伝い)』(08)、『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』(11)、『ふがいない僕は空を見た』(12)、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(13)、『花宵道中』(14)、『百円の恋』(14)、『14の夜』(16)、『ビジランテ』(17)、『犬猿』(18)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(20)、『アンダードッグ』(20)など。『百円の恋』において第34回藤本賞奨励賞、2016年エランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞。



『CHERRY AND VIRGIN』

監督:川尻将由

出演:大門嵩 清瀬やえこ

製作・配給:東映ビデオ

©2022東映ビデオ

Twitter:@candvMovie

2022年公開


【クラウドファンディング実施中】

川尻将由監督長編デビュー作品『CHERRY AND VIRGIN』支援プロジェクト(8月16日まで)

https://motion-gallery.net/projects/candv2022



取材・文:SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema

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