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『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

向かって左:佐藤現プロデューサー、右:川尻将由監督

『CHERRY AND VIRGIN』川尻将由監督×佐藤現プロデューサー アニメのA24を目指す!【Director’s Interview Vol.129】

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実写からアニメに起こす「ロトスコープ」の意外なメリット



Q:実写からアニメに変換するロトスコープにおけるメリットとデメリットは、どこにありますか?


川尻:そもそも僕の場合の“実写”は自主映画レベルなのですが、メリットとしてはスタッフの見つけやすさにあると思います。これだけコンテンツが氾濫していると、プロのアニメーターを確保するのって本当に難しいんですよ。そうなるとアニメ制作に興味があるアマチュアの方などで集めるしかなくなってくるのですが、その際に一番のネックになる「レイアウトを切る」を回避できるんです。パースを合わせて人物をちゃんと配置して、等身も揃えて……これをアマチュアの方に求めるのは厳しいところがあるのですが、まず実写で撮影してしまうとそこのセクションをなくせるんですよね。つまり、ゼロから絵を描く必要がなくなる。


Q:なるほど!


川尻:一回実写を挟むので準備段階に時間はかかりますが、こういった状況においてはそのほうがコストがかからないと思うんですよね。スーパーアニメーターがいっぱいいて、今敏監督みたいなコンテを描ければそれがそのままレイアウトになるんでしょうが、僕らはそうじゃないから。ちょうどそういうことを考えていた矢先に、岩井澤健治監督の『音楽』(20)が公開されたのですが、岩井澤監督も同じようなことを考えてロトスコープを取り入れていたんですよね。自分がやりたいことの先人だと思い、いろいろお話を伺いました。デメリットでいうと、プリプロ段階が大変になってしまうところですかね。


『音楽』予告


Q:制作費に関しては、『ある日本の絵描き少年』は100~150万円だったと伺っています。これはかなり安くできた、という部類なのでしょうか。


川尻:そうですね。たとえばテレビアニメの1話はオープニングとエンディングを削ると大体20分くらいで『ある日本の絵描き少年』と同じ尺なのですが、製作費は1話につき1,500万円以上はかかります。番組開始の第1話だと、4・5カ月かけるのでもう少し制作費もかさみます。『ある日本の絵描き少年』においては、大阪芸大で映像を一緒にやっていた友人に友達価格で手伝ってもらって、基本は自分で描くから0円。普通にアニメーターにカット分の単価でお支払いしていたら、テレビアニメと同じくらいかかったでしょうね。それでも「アニメは低賃金」と言われているわけですから、本当はもっとかかるはずなんですよね。




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