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『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』ジェームズ・ガン監督 DCキャラを使って『特攻大作戦』と『荒鷲の要塞』のやりたかったんだ【Director’s Interview Vol.134】

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』ジェームズ・ガン監督 DCキャラを使って『特攻大作戦』と『荒鷲の要塞』のやりたかったんだ【Director’s Interview Vol.134】

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「ウォッチメン」『特攻大作戦』『荒鷲の要塞』



Q:映像的に観ても本作は、これまでのスーパーヒーロー系映画とは大きく違います。ビジュアル面ではどういう部分にこだわったのでしょう?


ガン:まずは冗談抜きで、映画史上もっとも巨大なセットを建てた。キング・シャークのように最初からデジタルと決まっているものを除いては、視覚効果や特殊効果も可能な限り現場で実際にトライしてみた。それはなぜかと言えば観客に、映画の世界に飛び込み、キャラクターと一緒にその場にいるかのようなリアルな体験を味わってほしかったからだ。キャラクターが等身大であればあるほど、真実味も共感度も増すと僕は信じているから。


コスチュームだって、いかにもスーパーヒーローというんじゃなく、シワがよっていたりブカブカだったりする。まあ、フルーラ・ボルク(ジャベリン)は別だけど(笑)。そんな具合に、すべてにおいて完璧じゃない感じを出したかった。


お手本にしたのはアラン・ムーア&デイヴ・ギボンズの「ウォッチメン」だ。自称ヒーローたちが素手で殴り合ったりする描写は最高にリアルで説得力があったし、そういう感じをスペクタクルアクション大作で再現してみたかった。


もうひとつの理由は、最近のスーパーヒーロー映画自体がちょっとマンネリ気味で新鮮味に欠けて来たように感じていたからだ。とりわけビジュアル面では紋切り型になっていたようにも思い、ここで一発、新しいことをやってみようという気持ちも強かったね。



『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics


Q:前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズもそうですが、ロバート・アルドリッチの『特攻大作戦』の影響は計り知れません。その要素とスーパーヒーローものを組ませることで新しさが生まれたというのはありますか?


ガン:まさにそうだよ。本作には『特攻大作戦』(67)と『荒鷲の要塞』(68)の影響が大きい。『特攻大作戦』が公開された60、70年代には戦争&ハイスト(強盗)映画がたくさん作られていたし大人気だった。僕はこのジャンルが大好きだったんだが、いつの間にか廃れて行ったんだ。とても面白い映画がたくさんあるのに、なぜ消えてしまったのか判らないよ。だから僕は今回、DCのキャラクターを使って、そのジャンルを甦らせたつもりなんだ。


今更「戦争&ハイスト映画を作りたい」と言えばすぐにNGだろうけど、「DCキャラを使って戦争&ハイスト映画を作りたい」と言えばOKだろうと考えたんだ。実際、上手く騙せたよ(笑)。




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