『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』ジェームズ・ガン監督 DCキャラを使って『特攻大作戦』と『荒鷲の要塞』のやりたかったんだ【Director’s Interview Vol.134】
マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が、DC映画を撮る!しかも題材は『スーサイド・スクワッド』。何だそれは!最高以外の何ものでもないじゃないか!そう思った映画ファンは多いのではないだろうか。そして、いよいよそれが現実となってスクリーンに登場する。100%ジェームズ・ガン印のDC映画、それは不謹慎とグロと不真面目に溢れたまぎれもない傑作だった。
監督は何を思い、DC映画に挑んだのか? 今回はジェームズ・ガン監督本人に話をうかがった。
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最適の俳優を見つけることが全て
Q:本作の脚本は凄いスピードで書いたそうですね。
ガン:そう、それがマーベルをクビになってよかったことのひとつだよ(笑)。僕は自分のスピリットとソウルのために少しの間、休みを取った。それから仕事を始めるとき、「お金のため、名声のため、何かを得るために仕事をするのはもう終わりにしよう」と誓い、「僕のクリエイティビティとストーリーテリングを刺激してくれる仕事をしよう」と決め、3つの仕事を同時に始めたんだ。1本のTVシリーズと2本の映画だ。
で、曜日ごとに作品を決めて進めていったんだが、そのなかでもっとも楽しく、もっともコーフンさせられたのが、この『スーサイド・スクワッド』だった。だから、まずこの作品から始めたんだ。
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
Q:そうやって脚本を書いているとき、あなたは役者のことを頭に浮かべながら進めて行くと、マイケル・ルーカ―が言っていました。
ガン:それが僕のやり方と言ってもいい。たとえばピースメイカーを演じてくれたジョン・シナだ。ピースメイカーはかなり嫌なヤツだけど、ジョンはそれとは正反対。明るくて面白く、これまでもそういう役をやってきた。だから僕は、その役者の未知の部分、ジョンなら暗くてドラマチックな部分を見せたいと考えるんだ。
ルーカーもそうだよ。彼は悪人を演じることが多く、映画では滅多に笑顔を見せないが、実はおしゃべりで凄く笑うヤツなんだ。僕は彼のそういう側面を見せたくて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のときにヨンドウを演じて貰った。彼の笑顔がふんだんだったろ?(笑)
Q:キング・シャークの声を担当したスタローンも?
ガン:もちろん! 断られたらどうしようと思っていたよ(笑)。ブラッドスポートのイドリス・エルバも、ポルカドットマンのデヴィッド・ダストマルチャンも、ウィーゼルのショーン(・ガン)も、サバントの(マイケル・)ルーカー、シンカーのピーター(・キャパルディ)、ラット・キャッチャーのタイカ(・ワイティティ)……まさにパーフェクトなキャスティングだよ。彼の娘であるラット・キャッチャー2に関しては世界中を探して、やっとダニエラ(・メルシオール)を見つけたんだ。
本当に最適の俳優を見つけるのは大変だし、それが映画にとってすべてだと言ってもいい。その点、今回は、素晴らしいキャスティングが出来たと自負しているんだ。