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『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督が斬る!日本映画界の問題点と改革の狼煙【Director’s Interview Vol. 136】

『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督が斬る!日本映画界の問題点と改革の狼煙【Director’s Interview Vol. 136】

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あえて大上を「隠す」ことで存在感の大きさを演出



Q:本作はアクションもパワーアップしており、上林(鈴木亮平)と日岡の対決が大きな見どころですが、全編を通して日岡が怪我を負い続けますよね。松坂さんが「いま、怪我がどの状態か確認しながら撮影した」と仰っていたのですが、白石監督とおふたりで密に話し合いながら撮っていったのでしょうか。


白石:いやいや(笑)、そんな本気のものではなく、普通だったら歩けないくらいの怪我が連続するから、半分冗談で「いまどんな状態?」とコミュニケーションをとりながらやっていった感じです。



『孤狼の血 LEVEL2』© 2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会


Q:そうだったのですね! しかし本作は、日岡がトラブルに遭い続けることで、彼の現在地が見えてくるところがあります。原作の「孤狼の血」と「凶犬の眼」の間にある物語をオリジナルで作るにあたって、こうした構造は初期段階から決めていたのでしょうか。


白石:最初から方向性は決めていましたね。大上(役所広司)が孤狼だとしたら、日岡は本作で同じ位置にはいるんだけど、まだ慣れていない。経験不足なままでは人として大きくなれるわけがないと思ったので、意識的に日岡には辛酸をなめさせるようにしました。


前回も当然苦い思いはしているんですが(笑)、立場が変わったうえでもう一回、よりレベルが上がったものを経験させたかったんです。


Q:大上の“影”に苦しむ姿が非常に効いているように感じたので、大いに納得です。彼はそこにいないけれど、常に日岡の意識のなかに付きまとっていますよね。


白石:そうそう。冒頭で前作の振り返りを入れたのですが、大上だけは絶対に入れないようにしました。日岡はまだ、彼の背中を追いかけている最中ですからね。





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