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『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督が斬る!日本映画界の問題点と改革の狼煙【Director’s Interview Vol. 136】

『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督が斬る!日本映画界の問題点と改革の狼煙【Director’s Interview Vol. 136】

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『孤狼の血』でリスペクト・トレーニングを行うというメッセージ



Q:いまお話に上がったリスペクト・トレーニングについて、実施に踏み切った経緯など、ぜひ教えてください。


白石:『全裸監督』(19)の情報出しのときに、Netflixがリスペクト・トレーニングを実施した、と聞いて、僕も『火花』(16)をやっていたこともあって知り合いがいたので、色々と話を聞いていたんです。もともと自分の組でも、オールスタッフ打ち合わせのときに「ハラスメントはやめましょう」と話してはいたのですが、個人で言うだけだったのでちゃんと1回やってみたかった。そこで東映さんに相談したら、「悪いことなんて1個もないからやりましょう」と言ってくれたんです。


Q:リスペクト・トレーニング自体に興味を持った、具体的なきっかけはあったのでしょうか。


白石:僕の作品に参加してくれるスタッフたちは、僕が撮っていない期間は別の作品に携わっていますよね。そうすると、このご時世においても監督が怒鳴りまくっている現場に出くわして「●●さんは精神的に病んじゃって業界辞めました」といった話を当たり前のように聞くんです。そういう話を耳にするたび、何かできないかと感じていました。



『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督


矢面に立つのは大変ですが、『孤狼の血』のようなインモラルな作品であってもハラスメント撲滅のためにリスペクト・トレーニングを行っている、と見せることで、怒鳴り散らしている監督や、ひいては業界全体へのメッセージになるんじゃないかと思い立ったんです。


同じ監督としては、そういう人ってきっと完璧主義者なんだろうなとも思うんですよ。僕はそうじゃないから、言える部分があるのかもしれない。とはいえ、現場のスタッフで困っている人たちがいっぱいいるのは事実。自分が怒られなくても、怒鳴られている姿を見るだけで気分が悪くなるじゃないですか。そんなの無くしたほうがいいじゃないかという単純な想いからですね。





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