日本映画の未来のため、いまできること
Q:次世代に対してですが、リスペクト・トレーニングしかり、白石監督は映画業界における“継承と変革”について意識的に発言し、行動されていますよね。
白石:インターンや最初の現場で理不尽に怒られて辞めてしまうパターンが結構多いんですよ。わかるはずないのに怒鳴られて辞めてしまったら、本当にもったいないですよね。それは日本映画界にとっても損失ですし、しっかり変えていかないといけない。
スタッフもどんどん減っていますしね。貧しいし、観てもつまらないしとなったらそりゃあ来ませんよね。このままだと、韓国映画には到底追いつけない。だからこそ、ちょっとずつでも改善に向けて手を付けないと、と感じています。
Q:危機意識を発信するのも、一つのアクションですよね。
白石:そうですね。賛同してくれる人も、声をかけてくれる人も出てきています。「演劇をやっているのですが、リスペクト・トレーニングをやってみます」という声もありましたし。それはすごく嬉しい兆候ですね。
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監督:白石和彌
1974年12月17日生まれ、北海道出身。若松孝二監督に師事し、フリーの演出部として、行定勲、犬童一心監督などの作品に参加。10年『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編デビュー。13年の『凶悪』で、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞&優秀脚本賞、新藤兼人賞などを獲得、一躍脚光を浴びる。『日本で一番悪い奴ら』(16)は、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品に選出された。第46回ロッテルダム国際映画祭に招待された『牝猫たち』(17)では脚本も手掛ける。『彼女がその名を知らない鳥たち』は、第42回トロント国際映画祭に出品され、第39回ヨコハマ映画祭監督賞と第60回ブルーリボン賞監督賞を受賞。18年『サニー/32』『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』の3作品で第61回ブルーリボン賞監督賞、日刊スポーツ映画大賞監督賞を受賞。19年『麻雀放浪記2020』『凪待ち』『ひとよ』で第93回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞や第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞などを受賞。
取材・文:SYO
1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema」
『孤狼の血 LEVEL2』
8月20日(金)ロードショー
配給:東映
© 2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会