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『その日、カレーライスができるまで』主演:リリー・フランキー × 監督:清水康彦 × 企画・プロデュース:齊藤工が目指す、“大人の事情”0%の映画制作 【Director’s Interview Vol.139】

『その日、カレーライスができるまで』主演:リリー・フランキー × 監督:清水康彦 × 企画・プロデュース:齊藤工が目指す、“大人の事情”0%の映画制作 【Director’s Interview Vol.139】

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「大人の事情」が一切ない現場に参加する喜び



Q:そうしたチームワークも、フットワークの軽さだったりスピーディな作品作りに寄与しているように思います。そうした関係値は、自然に醸造されていったものなのでしょうか。


リリー:お互いの中に感覚的にあるんじゃないですかね。自分がどうとかじゃなくて、最終的にいいものにならないとそっちのほうが恥ずかしい。そしてみんなちょっと欲張りだから、「いいものになったね」と言われるだけだと満足できない。ちっちゃな世界からかもしれないけど、何かを変えるきっかけになるようなことをやるのが、僕らみたいな“グリーンベレー”の仕事(笑)。


齊藤:そうですね。感覚共有みたいなものは、これまでの作品を通して培ってきた部分もあります。個人差はあれど、この題材に対してこういう方向性でいく、というのはそれぞれ見えていて、真逆ではないなと感じます。現場で生まれるものと、仕上げで生まれる“二段階右折”といいますか、それぞれは点だけど、みんなが“線”を思い描けている感じはありますね。公開までの期間の短縮もそうですが「今回が初めてじゃない」という強みはあるように思います。同時に、アウトプットしていくことで自浄作用も得られるところがあります。


リリー:今回なんか本当に、自己啓発セミナーに連れていかれたような感覚でしたよ。清水さんに「リリーさんはダイヤモンドなんだ!」とか言われて(笑)。


清水:きっついな……(苦笑)。


リリー:(笑)。でも、そういう部活的なセッションでものを作れるのはすごく楽しいですよ。ここには「大人的な理屈」が一つもないから。


齊藤:確かに。それはすごく感じます。


リリー:大人の理屈に辟易としていたときに、若く優秀なスタッフたちと一緒にものづくりをできるのは、やっぱり喜びがあります。俺ら自体の待ち時間もどんどん減ってるよね。機材も進歩して、人もどんどん変わっていく。良いことですよね。



『その日、カレーライスができるまで』© 2021 映画『その日、カレーライスができるまで」製作委員会


清水:でも、おふたりみたいに思ってくれる役者さんはまだ少ないと思います。


リリー:それは、「清水くん私は何をすればいいのかな?」(低音)みたいなことを言う人?(笑)


清水:まぁ、そうですね(笑)。当然、ビジネスとしてここをこうすれば成功するというのもありますから。


リリー:でも、いま言ったみたいな「自分から動かない」タイプの役者のほうが興行的に数字を持ってたりもするからね。それは日本だけじゃなく、アメリカとかもそうだと思う。それは血の問題だから変えられないし、だって俺・工くん・清水さん・小林の4人で興収200億円の作品を作れないのはもうわかってるじゃない(笑)。


齊藤・清水:(笑)。


リリー:でも、たとえ2億でもいいから興収を出せたら、俺らの“心の興行成績”は200億くらいにいくよね。


齊藤:心の興行成績!


清水:いい言葉ですね。


リリー:逆に俺らは100億いったらどうしたらいいかわからなくなるし、「ネヴァーマインド」が売れちゃったときのニルヴァーナじゃないけど、カート・コバーンみたいにメジャーになってはいけない人っているんですよ。まぁ俺らはそこまでいける可能性もないから(笑)。


清水:なさそうですね……(しみじみ)。


リリー:ただ、「こっちがスタンダードになっていけばいいな」という野心はある(笑)。




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