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『その日、カレーライスができるまで』主演:リリー・フランキー × 監督:清水康彦 × 企画・プロデュース:齊藤工が目指す、“大人の事情”0%の映画制作 【Director’s Interview Vol.139】

『その日、カレーライスができるまで』主演:リリー・フランキー × 監督:清水康彦 × 企画・プロデュース:齊藤工が目指す、“大人の事情”0%の映画制作 【Director’s Interview Vol.139】

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物語性に込めた、「体制と勝負したい」という信念



Q:皆さんはそれぞれのコラボレーションで毎回違った“色”を出しているので、「次は何を見せてくれるんだろう?」というワクワク感があるように思います。


リリー:ただ、前衛的な作品にいきすぎないのは、どこかでまだ「体制と勝負したい」という想いがあるんでしょうね。「勝手にやってろ」と思われたくない。


清水:それはありますね。僕にとっては、今回のようにミニマルな話に取り組むことは挑戦でした。色々出来るんじゃないかと思ってしまう性格なので。


リリー:そういう部分も含めて、小さくてもこうした作品を作り続けることが後続を増やすことにもつながるし、一番の革命の方法論だと思うよ。


ここ何年か、大風呂敷を広げた映画をずっと見てきましたが、やっぱり誰か一人に向けたものじゃないと届かないと思うんです。本作もそうですが、主人公の「奥さんと子ども」というミニマムな考え方に焦点を当てることで、周りもちゃんと立ってくるんですよね。


Q:あと面白いなと思ったのは、リリーさんと神野三鈴さんが夫婦を演じることで『blank13』とのつながりを感じられるというか、ユニバース的な楽しみ方ができるところです。


齊藤:あのときもカレーを作って食べているし、主題歌を担当してくれた安部勇磨さんは、高橋一生さんの弟さんですしね。『blank13』の中であった「お父さんは何をしていたんだろう?」という意識が、ここにつながったような感覚はあります。色々な楽しみ方をしていただけたら、嬉しいですね。


リリー:アナザーストーリー的な観方もできるしね。俺は「まだ苦労をかけてるのか!」と思いました(笑)。


齊藤・清水:(笑)。



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リリー・フランキー

イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。初の長編小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は2006年本屋大賞を受賞、また絵本「おでんくん」はアニメ化された。映画では、『ぐるりのこと。』(08年/橋口亮輔監督)でブルーリボン賞新人賞、『凶悪』(13年/白石和彌監督)と『そして父になる』(13年/是枝裕和監督)で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(『そして父になる』は最優秀助演男優賞)など多数受賞。第71回カンヌ国際映画祭では、主演を務めた『万引き家族』(18年/是枝裕和監督)がパルムドールを受賞。清水康彦監督作品はフジテレビ系列のドラマ『ペンション・恋は桃色』(20年)につづき本作で2度目の主演となる。





監督・脚本・編集:清水康彦

2001年映像ディレクターとして活動開始。広告やミュージックビデオを多数演出。15年ロボット所属。映像ディレクター・プランナー・脚本家 など、活動は多岐にわたる。19年、長編監督デビュー作『MANRIKI』が、プチョン国際ファンタスティック映画祭 EFFFF Asian Award受賞のほか第25回ルンド国際ファンタスティック映画祭、第1回ミッドナイトウエスト映画祭に入選。20年は『COMPLY+-ANCE』(プロデュース・編集)、リモート映画企画「TOKYO TELEWORK FILM」#3『HOME FIGHT』、#6『でぃすたんす』(ともに監督・脚本・編集)など齊藤工が企画や監督する作品に数多く参加。1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督『CUBE』の初公認リメイク版を監督し、21年10月22日全国公開。リリー・フランキーとは脚本・演出を務めたフジテレビ系ドラマ『ペンション・恋は桃色』以来2度目のタッグとなる。





企画・プロデュース:齊藤工

俳優、フィルムメーカー、白黒写真家などマルチに活躍。長編初監督作『blank13』(18年)が国内外の映画祭で8冠獲得。HBOasia制作FOLKLORE『TATAMI』(18年)に続きFOODLOREに『Life in a Box』(20年)で日本代表監督として参加、Asian Academy Creative Awards 2020 最優秀監督賞受賞。同年、企画・脚本・監督等の『COMPLY+-ANCE』で第15回ロサンゼルス日本映画祭ニューウェーブ作品賞、最優秀監督賞受賞。監督最新作『ゾッキ』が現在公開中。主演作『シン・ウルトラマン』(企画・脚本:庵野秀明、監督:樋口真嗣)が控える。また、移動映画館「cinéma bird」を主宰し、20年は清水康彦とともにリモート映画プロジェクト「TOKYO TELEWORK FILM」を企画したほかミニシアター支援活動「Mini Theater Park」を始動するなど、活動の幅を広げている。



取材・文:SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema



撮影・青木一成



『その日、カレーライスができるまで』

2021年9月3日(金)より、全国順次公開※併映作品あり。

配給:イオンエンターテイメント 

© 2021 映画『その日、カレーライスができるまで」製作委員会

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