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『スウィート・シング』アレクサンダー・ロックウェル監督 魔法の時間だった80〜90年代のNYインディペンデントシーン【Director’s Interview Vol.158】

『スウィート・シング』アレクサンダー・ロックウェル監督 魔法の時間だった80〜90年代のNYインディペンデントシーン【Director’s Interview Vol.158】

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どの映画でも同じことを繰り返してしまう



Q:最後にもうひとつ教えてください。『スウィート・シング』にも『Little Feet』にも『ピート・スモールズは死んだ!』(10)にもパンダのマスクが出てくるのはなぜですか?


ロックウェル:それは僕が貧乏で、小道具を使い回してるからだよ! 次の映画でもサンタクロースを出すよ。今回衣装を買ったからね(笑)。



『スウィート・シング』©️2019 BLACK HORSE PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED


マジメに答えると、人がなにかコスチュームを着る様子が好きなんだ。普段と違うものを着ることで、別のパーソナリティが生まれるだろう? それにパンダの着ぐるみの男が酔いつぶれていたら、胸を締め付けられるような気持ちになるしね。僕は登場人物にいろんな服を着せたくて、パンダやサンタの格好をさせているんだ。


それに僕の映画だと、なぜか登場人物たちが海に向かうんだ。どの映画を作っていても、結局同じことを繰り返してしまうんだよね。




 

監督・脚本:アレクサンダー・ロックウェル

おそらく『イン・ザ・スープ』と『13 Moons』(日本未公開)で最も知られている米インディーズで尊敬を集める監督の1人。祖父であるロシア生まれのアニメーター、アレクサンダー・アレクセイエフと、祖母であるアメリカ人アーティスト、クレール・パーカーは、フランスで出会い結婚。彼らはピンスクリーンアニメを創始したことで有名だ。ロックウェルは10代の終わりに、祖父のもとで映画を学ぶためにパリに渡った。彼は、シネマテーク・フランセーズに足繁く通った。1980年代には、いくつかの短編映画がボストン現代美術館などで上映され、最初の長編『Lenz』は1982年ベルリン国際映画祭で上映された。長編3作目の『父の恋人』は、自身にとっての「映画の父」ジョン・カサヴェテスに出演してもらおうと脚本を書いた作品。しかし、撮影前にカサヴェテスが亡くなり、夢は叶えられなかったが、敬愛するサミュエル・フラーを主演に迎えて完成。フラーへの注目もあって、日本で初めて紹介されたロックウェル作品に。そして、スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル、ジェニファー・ビールス出演の映画『イン・ザ・スープ』で飛躍を遂げ、1992年サンダンス映画祭でグランプリを受賞。同世代の観客やファンからの熱烈な称賛を浴びた。その後は、『フォー・ルームス』(クエンティン・タランティーノ、アリソン・アンダース、ロバート・ロドリゲスと共同監督)、ロージー・ペレスとハーヴェイ・カイテル主演の『サムバディ・トゥ・ラブ』、スティーヴ・ブシェミ、ピーター・ディンクレイジ、サム・ロックウェル、ジェニファー・ビールズなどのロックウェル常連組が出演したコメディ『13 Moons』(日本未公開)などを発表。2011年には、ピーター・ディンクレイジ、ティム・ロス出演の『ピート・スモールズは死んだ!』(劇場未公開)でカルト的人気を集めた。2013年、2人の子供ラナとニコを主演に中編『Little Feet』(日本未公開)を発表し、批評家に絶賛された。ペットの金魚を放すために、近所の友達とロサンジェルス中を歩きまわるという60分の小さな作品である。映画はマール・デル・プラタ映画祭で栄えあるピアソラ賞を受賞した。トロント映画祭やローマ映画祭などでも高評価を受け、ニューヨークやロサンジェルスでも熱狂的に迎えられた。2017年、ロックウェルは名門・ニューヨーク大学大学院ティッシュ芸術学部映画学科の監督コース長となり、多くのインディーズ映画界の期待の星を教え導いている。



取材・文:村山章 

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。




『スウィート・シング』

10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開

©️ 2019 BLACK HORSE PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED 



『スウィート・シング』オリジナルTシャツ販売!

本作の制作予算のためアメリカでのクラウドファンディング用に作成されたTシャツを『スウィート・シング』日本全国の上映劇場で販売決定!収益は監督の次回作に活かされます。

販売価格:3,500円(税込)



<『スウィート・シング』公開記念>ロックウェル監督 伝説の傑作『イン・ザ・スープ』(1992)限定上映!

新宿シネマカリテにて1週間限定10/29(⾦)〜11/4(⽊)1⽇1回上映 、他全国にて上映予定。詳細及び全国の上映館情報は『スウィート・シング』公式HPにて

http://moviola.jp/sweetthing/ 

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