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『牛久』トーマス・アッシュ監督 日本人の「病」をえぐり出す驚愕のドキュメンタリー【Director’s Interview Vol. 186】

©Thomas Ash 2021

『牛久』トーマス・アッシュ監督 日本人の「病」をえぐり出す驚愕のドキュメンタリー【Director’s Interview Vol. 186】

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いつ取材をやめるのか、直感的に判断



Q:本作では、施設での度重なる面会、そして彼らが出所した後の苦悩まで描いていますが、どれくらいの期間をかけて取材を行ったのでしょうか。


トーマス:それは入管サイドも知りたいんじゃないですかね(笑)。


Q:(笑)、私はテレビでドキュメンタリーを演出することもあるのですが、どれくらいの期間撮り続けるか、いつ取材を終わりにするのか、その判断が非常に難しいんです。


トーマス:テレビだと放送日が決まっているから、取材が終わっていなくても「ここまで!」と、プロデューサーにストップさせられますよね。でも私は企画から撮影、編集まで一人でやりますから、締め切りはありません。かなり自由なんですが、予想もしなかった要素も沢山入り込みます。



『牛久』©Thomas Ash 2021


取材を始める時にはコロナ禍になることは想像もつかなかったし、収容者が仮放免で施設を出られることも知りませんでした。ただ、取材を終えるタイミングは、映画の一番最後に配置したインタビューを撮っている時、直感的に分かりました。


今回取材した人の何人かは仮放免で出所できました。仮放免で施設を出てすぐは、本人もひと安心します。でも仕事に就けないから収入はないし、県外にも移動できない。その大変さも観客に伝えるべきだと思いました。施設から解放される姿を見た観客が「良かった」と安心して映画館を出るなら、何も変わらない。だから出所から半年後にインタビューを撮影しました。1週間で5人にインタビューをしましたが、クラウディオさんという方の、ある言葉を聞いた時、「この言葉を映画の最後に持ってくるべきだ」と思いました。





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