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『牛久』トーマス・アッシュ監督 日本人の「病」をえぐり出す驚愕のドキュメンタリー【Director’s Interview Vol. 186】

©Thomas Ash 2021

『牛久』トーマス・アッシュ監督 日本人の「病」をえぐり出す驚愕のドキュメンタリー【Director’s Interview Vol. 186】

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編集で収容者の閉そく感を表現



Q:本作はドキュメンタリーでありながら、理不尽な監禁ホラー映画のようでもあり、すごく恐ろしかったです。ホラー映画の作りも意識されたりしましたか。


トーマス:私は、ありのままを見せているだけです。ホラーを作っているのは入管の方ですね。


Q:入管施設での隠し撮りのインタビューを、サイズを小さくし黒縁をつけることで、まるで小窓から覗くような映像にしていますね。


トーマス:よく見てくれていますね。あれは、観客が閉じ込められているような、圧迫感を覚えるように意図した編集処理です。それに対してデニズさんの制圧シーンとか、仮放免で出るシーンは画面のサイズを大きくしています。気づいてくれてありがとうございます(笑)。


Q:覗き窓から見ているようでもあるし、自分自身が施設の中に閉じ込められているような感覚もあって、非常に効果的だと思いました。


トーマス:実は私は、まだ劇場のスクリーンでは見ていないんです。スクリーンで見た時に、私が期待している効果になっているかどうかを確かめたいですね。パソコンで見るより効果的に伝わると思いますよ。


Q:本作は既に世界各国の映画祭で上映されていますが、反応はいかがですか。


トーマス:ドイツやイギリス、アメリカなど、難民や移民に関する問題を抱えている国も多いので、単純に「日本が悪い」ではなく、「ああ、やっぱり、いろんな国でこういう問題を抱えているんだ」という反応もありました。でも難民認定率があまりに低いこと(※)にはびっくりされます。あとは無期限に収容することや、暴行のシーンでも驚かれます。日本は「おもてなしの国」なのに、こんなこともやるのか、というギャップに本当にびっくりする人が多いです。


※筆者注:2020年の日本での難民申請者は3,936人で認定されたのは47人(出典:難民支援協会





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