脚本がみんなのモチベーションを上げた
Q:そもそもこの企画はどうやって始まったのでしょうか。
城定:SPOTTED PRODUCITONSの直井さんから、「今泉さんと脚本交換してみませんか」と声をかけてもらいました。でも、僕と売れっ子の今泉さんとでは人気の差があり過ぎたので、「いやいやいや」とあまり真に受けてませんでした(笑)。その後、今泉さんが「やりたい」と言ってくれたので、襟を正して受けさせていただきました(笑)。
今泉:最初は「さくっと撮ろう」感が強かったのですが、お互いの脚本が出来たら、「あれ?面白いぞ。ちゃんとやろう」と、プロデューサー陣の姿勢が変わりましたよね。
城定:そうそう。「さくっとやるから、好きに書いていいよ」みたいな企画だった。瀬戸康史さんが出演してくれるような、ちゃんとした企画ではなかったですよね(笑)。
今泉:脚本が出来てから、みんなのモチベーションがどんどん上がっていった(笑)。
『愛なのに』©2021『愛なのに』フィルムパートナーズ
Q:『街の上で』(21)では、城定監督と同じ名前の「城定イハ」という役も出てきますが、お二人は以前から仲が良い感じなのですか?
今泉:あれは何の許可も取らずにやった(笑)。
城定:気楽に許可を取れるほど仲が良いわけでもなかったですからね。まぁ特に悪くもなかったですが、そんなに接点はなかった。
今泉:2人で飲むとかも別にないけど、子どもの保育園は一緒でしたね。
城定:そうね。保育園一緒でしたね。何かのイベントで一緒になって、ちょっと一緒に飲んだ記憶はある。
今泉:城定さんの特集上映をポレポレ東中野に観に行って、そこで挨拶したのが多分最初じゃないかな。あとは、城定さんが撮る映画の中に出てくる映画に、俺の映画が使えるかどうか許可の相談が来たりとか…。逆に『街の上で』のときは許可取らなかったですけど(苦笑)。
城定:いや、別に(苗字は)許可は取る必要ないですからね(笑)。むしろ使われて嬉しかった。僕の知らないところで、何だか「城定イハ」「城定イハ」って盛り上がってて、「何なんだ、これは⁉︎」みたいな感じでした。
Q:「城定」で検索すると、「秀夫」と「イハ」が予測変換で出てきますよね。
今泉:そうなんですよ。
城定:いやいやいや、Twitterのヒット数とか、イハのほうが上ですから(笑)。