監督する人を想定して書きましたか?
Q:「R15+」ということもふまえて、脚本を作る際に共通のルールなどはありましたか?
城定:特にルールはなかったですが、「R15+」は前提としてありました。がっつりポルノっぽいものを、みたいな話も最初はあったのですが、今回は今泉さんと一緒ですしね。だから頑張って恋愛映画を書いてみました。普段書いてそうで意外と書いてないんですよ。
Q:今泉さんは「R15+」は初めてですか?
今泉:以前「青春H」という企画があって『終わってる』(11)というR-15作品を撮ったことがあります。長編デビューした『たまの映画』(10)はドキュメンタリーだったので、次に撮ったこの『終わってる』がフィクションの長編1本目でした。「“絡み”が1回あれば、後は好きに書いてよし!」みたいな企画でしたね。でも結局“絡み”も3回ぐらいあったかな。その後『ヴァージン』(12)というオムニバスも撮りましたが、それも「R-15」でした。今回はそれ以来ですね。
Q:脚本は監督する相手を念頭において書かれたのでしょうか?
城定:僕は思いっ切り置いてましたね。僕自身ちょっと今泉さんに憧れている部分もあるので、今泉さんっぽいのを書きますと話していました。一方で今泉さんに対しては、「僕が監督することはあまり意識しなくて大丈夫ですよ」とお伝えした記憶があります。今泉さんはこれまで“恋愛のえぐみ”を描き続けてきた人なので、そこは崩さないで欲しかった。
『猫は逃げた』©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ
今泉:城定さんが書いた脚本を最初に読んだ時は、自分が短編をやってたころに撮っていた「絡まりまくってる男女の話」みたいだと思って、懐かしくもあり、すごく俺っぽいなって思いました。逆に俺はもう、いつもの自分の感じのまま書いたものを渡して、あとはそれをどう調理してもらおうかってことだと思ってた。城定さんっぽいっていうのも書けないし。城定さんの色もあるし。
城定:僕っぽいのってあんまり無いでしょう。
今泉:いや、でも謎に多幸感があったりとか、終わり方の空気とか、城定さんの色はあると思ってて、それを書こうかなとも思ったこともありました。
Q:それぞれの作品を観ても、両方ともご自身で脚本・監督したような感覚がありました。お互いに脚本を書いて交換した感じはしませんでした。
今泉:お互いにもらった脚本に対して自分で改稿していったので、それもあるんでしょうね。自分がやりやすいように直してるだろうから、「そこはそう直して欲しく無い」とかはなくて、もうお任せしてました。
城定:脚本を交換した感じがしないというのは、逆にうれしいですね。作っている最中は“今泉・城定コラボ”って売り文句がこんなに前面に出てくるとは思っていなくて、シンプルにいい作品を2本作ろうみたいな感じでやってました。