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L/R15『愛なのに』『猫は逃げた』城定秀夫×今泉力哉 自分が書いた脚本が変わっていく面白さ【Director’s Interview Vol.195】

L/R15『愛なのに』『猫は逃げた』城定秀夫×今泉力哉 自分が書いた脚本が変わっていく面白さ【Director’s Interview Vol.195】

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城定秀夫と今泉力哉、今ノリに乗っている二人の監督が異色のコラボレーションを果たした。映画『愛なのに』は監督が城定で脚本が今泉、映画『猫は逃げた』は監督が今泉で脚本は城定と、それぞれが書いたオリジナル脚本を提供しあい、そしてお互いが監督するという何とも面白い試み。その名もプログラムピクチャー「L/R15」。2作ともR15+のラブストーリーだ。


二人の組み合わせは想像するだけでもワクワクするが、完成した作品は期待を大きく超えめちゃくちゃに面白い。すでに2作とも公開され、巷でも絶賛の声で溢れている。このコラボはいかにして成立したのか? 二人に話を伺った。


二人のお話、めちゃくちゃ面白いです…。



『愛なのに』あらすじ

古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、昔のバイト仲間、一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。その古本屋には、女子高生・岬(河合優実)が通い、多田に一途に求婚してくる。一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。結婚式の準備に追われる彼女は、亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が男女の関係になっていることを知らずにいて...。



『猫は逃げた』あらすじ

漫画家・町⽥亜⼦(⼭本奈⾐瑠)と週刊誌記者の広重(毎熊克哉)は離婚間近の夫婦。広重は同僚の真実⼦(⼿島実優)と浮気中で、亜⼦は編集者の松⼭(井之脇海)と体の関係を持ち、夫婦関係は冷え切っていた。2⼈は飼い猫カンタをどちらが引き取るかで揉めていたが、その⽮先、カンタが家からいなくなってしまい…。



Index


自分の脚本を他の人が監督する



Q:『愛なのに』『猫は逃げた』とも抜群に面白くて、ノリに乗ってるお二人が楽しそうに作っている感じが伝わってきました。今回のお互いの作品を初めて見た時の第一印象はいかがでしたか?


今泉:めちゃめちゃ面白かったです。自分の脚本を他の人が撮るのが初めての経験だったので、もし「自分が撮れば良かった…」ってなったら最悪だなと心配してたけど、全然そうは思わなかった。試写では『愛なのに』『猫は逃げた』の順で連続上映されたんです。『愛なのに』が面白すぎたので、その後に『猫は逃げた』を流すのはやだなぁと思ったぐらいです。


『愛なのに』©2021『愛なのに』フィルムパートナーズ


城定:お互いに脚本を書いて交換した後は、ある程度好きに直していいというルールでした。自分が書いた脚本に今泉さんが手を加えた完成版を受け取ってはいたのですが、仕上がりが楽しみだったのであまり読みませんでした。だから完成した映画は、いち観客として楽しめました。


自分が書いた脚本は自分で監督することがほとんどなので、普段は撮影や仕上げがすすむにつれて、自分が書いたセリフに徐々に慣れていくのですが、今回は脚本を書いた後はその後の作業には関わらない。だから、完成した映画を観て初めて、自分が書いたセリフが実際の言葉となっているのを見るわけです。観ている途中までは、「うわー、このセリフ俺が考えたのか⁉︎」って、自分が書いたものの恥ずかしさがあったり、「そこ、そんなに膨らますか⁉︎」みたいな驚きでいっぱいでした。でも途中からはそれも忘れてずっと笑ってましたね。


今泉:全く同じ感想ですね。自分が書いた脚本が、演出によって動きのあるものに変わっていたり、「あっ、こうなるんだ」みたいな感覚は自分で演出するときと違ったので、そこは面白かったですね。





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