爆笑⁉︎ オズワルド・伊藤俊介演じる映画監督
Ｑ：『猫は逃げた』に出てくる、オズワルドの伊藤さんがやる映画監督も相当面白いキャラクターでした。
城定：脚本にキャラクター自体はあって、彼が話す「エロスとアガペー」も、そういうことを言うインテリぶった嫌な奴にみせる記号として書いてました。でもまさかあんな膨らませ方をするとは（笑）。あそこは確かに爆笑しましたね。
今泉：膨らませました（笑）。脚本では（伊藤さん演じる監督の映画が流れる）試写のシーンは少ししかなかったんです。
城定：そうそう。試写で流れる映画の内容までは書いてないです。「訳の分かんない映画が流れている」みたいなことしか書いてない。
今泉：あの映画のナレーションは瀬戸康史さんのアフレコですが、もともとは伊藤さんの声でそのまま録ってたんです。でもその試写のシーンの後も伊藤さんが話すシーンが続くから、瀬戸さんにお願いして差し替えました。
城定：もともとは伊藤さんで録ってたんだ。
今泉：撮影現場で伊藤さんの声で録っていたのですが、それがまためちゃくちゃ面白かったんです。やっぱりさすがですよね。だから瀬戸さんに、伊藤さんのイントネーションをそのままなぞってもらいました。
『猫は逃げた』©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ
城定：伊藤さんにはアドリブ的にやってもらったんですか？
今泉：読んでる内容は脚本のままですが、イントネーションとか偉そうに語る感じとかは自分でアレンジしてくれました。撮影現場で音声だけ録音する時は、通常は静かな場所に移動して録るのですが、そのときの一番静かな場所がその試写会場だったので、エキストラのお客さんがいっぱいいるところで伊藤さんが読み上げるという謎の空間になってて（笑）、収録が終わった瞬間にお客さん全員爆笑するという。すごく異様な空気になってて面白かった。
もともと伊藤さんはダメ元でオファーしたのですが、受けてくださって本当に良かったです。
城定：今は忙しいですもんね。
今泉：忙しい中でも、セリフもちゃんと覚えてくれました。マネジャーさん相手にセリフの練習をしたときに、その方が東北出身でめちゃめちゃなまってるから、それに引っ張られて結構苦労したらしいです（笑）。また、この撮影の話をラジオで話してくれて、いざ撮影に臨んだ時に、目の前にいる毎熊さんと手島さんが「この二人本当に付き合ってんじゃねえかな」っていうぐらいすごく仲良く見えて、役者さんってほんとにすごいなって思ったらしいです。
城定：でも、そう思っちゃうときありますよね、何かそういう空気をつくるんですよね。もちろん、本当に付き合っているわけではないですけど。毎熊さんと手島さんも程よい距離感でいい空気でしたね。
今泉：すごく不思議な距離でしたよね。普通だとめちゃめちゃ近い関係になりそうなのに、あんまり色気側にいかないというか、独特な距離でしたね。
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