1. CINEMORE(シネモア)
  2. NEWS/特集
  3. ジェームズ・キャメロン監督作品まとめ SFとアクションを駆使して人類に警鐘を鳴らし続ける
ジェームズ・キャメロン監督作品まとめ SFとアクションを駆使して人類に警鐘を鳴らし続ける

© 2024 20th Century Studios. (c)Photofest / Getty Images © 1997, 2024 Paramount Pictures and 20th Century Studios (C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ジェームズ・キャメロン監督作品まとめ SFとアクションを駆使して人類に警鐘を鳴らし続ける

PAGES


3.『ターミネーター』(84)108分


『ターミネーター』(c)Photofest / Getty Images


2029年の未来、人類を絶滅すべく暴走を始めたコンピューターと人類との戦いが繰り広げられていた。人類軍のリーダー、ジョン・コナーを抹殺せんがため、殺人サイボーグ、ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が1984年のロサンゼルスに未来から送り込まれてくる。彼はジョン・コナーの母となるサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を探し出し、殺害するため追跡を始めるが、同時に、サラを守るために一人の人類戦士カイル・リース(マイケル・ビーン)も未来から送り込まれていた。さまざまな銃器を駆使し、不死身の体でどこまでも追ってくるターミネーター。彼を相手にサラとリースは死闘を展開するがーー。


ジェームズ・キャメロンの名前を世に轟かせた大出世作。実質的なデビュー作とも言える。強烈なインパクトを残す鋼鉄の骸骨・エンドスケルトンや、ブラッド・フィーデル作曲のテーマなど、映画史に残るアイコンをいくつも生み出した。主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは本作で大ブレイク、ボディビル俳優から世界的大スターへの階段を登ることとなった。なおシュワルツェネッガーは当初カイル・リース役を望んでいたが、キャメロンの説得によりターミネーターを演じることになったという。


元々はB級映画として低予算で企画・制作された本作だったが、ロジャー・コーマンの下で鍛えられたキャメロンのコスパ管理能力、演出力、視覚効果の知識と技術、ディテールにこだわる完璧主義が炸裂。約640万ドルの予算で作られたにも関わらず、全世界で7,800万ドル以上の興行収入を稼ぎ出した。


キャメロンが描き続けているテーマ、“テクノロジーに依存しすぎている人類への警鐘”は、本作からすでに始まっており、AI問題に直面している現在の世界を、40年前の時点で見事に予見している。


もっと詳しく:『ターミネーター』はなぜ古びない?時代を超越する「恐怖」と「構成力」




4.『エイリアン2』(86)137分/154分(完全版)


エイリアン2』デジタル配信中(購入/レンタル)4月10日(水)4K UHD発売 © 2024 20th Century Studios. 発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン


リドリー・スコットが監督したSFホラーの金字塔『エイリアン』(79)の続編。エイリアンに襲われたノストロモ号から唯一生還したエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)。彼女は冷凍睡眠状態で57年もの間、宇宙で漂流していた。運良く救出されたリプリーだったが、エイリアンの存在が疑われる植民惑星LV426の調査の為、海兵隊員と共に再び旅立つこととなる。そこでリプリーたちが遭遇したのは、卵を生んで繁殖し続けるエイリアン・クイーンの姿だったーー。


SF映画史に燦然と輝く傑作の続編など誰が撮りたがるだろうか。キャメロンはそんなプレッシャーを跳ね飛ばし、「今度は戦争だ!」のキャッチコピーよろしく『エイリアン』をSFアクションとして生まれ変わらせた。“史上最高の続編”とも言われるSFアクションの傑作。


『ゼノジェネシス』と同様、後のキャメロン作品に見られる演出や美術デザインを本作でも多く見ることができる。エレベーターや工場など場所の構造を活かしたアクションは『ターミネーター2』でも発揮され、パワーローダーや宇宙基地の施設、未来の生活様式などは『アバター』でも同じようなデザインで表現されている。そして、私利私欲に走る人間(企業)が出てくるのも重要な共通点だ。自分のやりたかったことを予算をかけて具現化した、まさに“キャメロンワールド”が詰まった作品となっている。


もっと詳しく:これがジェームズ・キャメロンだ!『エイリアン2』に見るキャメロンワールドの片鱗の数々



PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. NEWS/特集
  3. ジェームズ・キャメロン監督作品まとめ SFとアクションを駆使して人類に警鐘を鳴らし続ける