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劇場版『スター・トレック』を生んだ特撮スタッフの奮闘と彼らが残したもの 後編

(c)Photofest / Getty Images

劇場版『スター・トレック』を生んだ特撮スタッフの奮闘と彼らが残したもの 後編

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動き出したトランブルのチーム



 こうしてトランブルは、『スター・トレック』の視覚効果作業を本格的に開始する。作業は、『未知との遭遇』(77)でも使用されたスタジオの他、周辺のスタジオやビルにも施設を設け、『デモン・シード』(77)の3DCGを手掛けたボー・ゲーリングが、追加のモーションコントロールカメラを4台新造した。


『デモン・シード』予告


 トランブルは『未知との遭遇』のスタッフに再集合をかけ、さらにRA&A及びその子会社のアストラ・イメージで雇われていた、ロバート・スワース、スコット・ファラー、マーク・ステットソン、アンドリュー・プロバートといったスタッフを、FGCの子会社として設立されたエンターティンメント・エフェクツ・グループ(以下EEG)で再雇用した。


 しかし、公開までに使える時間は7ヵ月しか残っておらず、500ショットもの視覚効果を完成させるのは不可能に思えた。そこでかつてのアシスタントだった、ダイクストラに30%ほどの作業を依頼する。彼のアポジー社は、アーサー・ペン版『アルタード・ステーツ』(*1)の作業が難航して一度断っていたが、このプロジェクトから離脱して手が空いていたのである。こうして合計300人ほどのスタッフが集結することになった。


*1 その後このプロジェクトは、27人目の監督候補だったケン・ラッセルの手により、『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(79)として完成させられた。このラッセル版にはダイクストラは関係していない。



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