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『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

(c)Photofest / Getty Images

『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

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自らの映画づくりへの想いを作品に込める



 『ライフ・アクアティック』の中心には、ビル・マーレイ演じる海洋学者であり映画監督でもあるスティーヴ・ズィスーが存在する。


 彼がトレードマークのようにかぶる赤いニット帽などを見ても、このキャラがフランスの海洋学者ジャック=イヴ・クストー(カンヌ・パルムドールやアカデミー賞長篇ドキュメンタリー賞に輝いた『沈黙の世界』(56)などでも有名)をモデルにした人物であるのは明らかだ。


 でも、だからといって伝記的、パロディ的な繋がりがあるかというとそうではなく、本作ではアンダーソン作品おなじみのモチーフである”何らかの集団に属する人々”を探査船上に配置し、彼らが時に悩んだり、困難にぶち当たったりしながら、それでも互いに支え合って冒険を繰り広げていく様を描いている。



『ライフ・アクアティック』(c)Photofest / Getty Images


 ここでDVDの音声解説に耳を傾けていると、アンダーソンのこういう言葉が印象深く胸に響いた。


「映画は仲間と一緒に作り上げるもの。そのことを本作で表現したいと思った。僕が感じる映画の魔法とも呼ぶべきものをね」


 なるほど、ズィスー率いる海洋ドキュメンタリー制作チームの面々が、映画祭を巡ったり、資金調達に苦労したり、ようやく準備を整えて出港した大海原で様々なトラブルに見舞われる様は、まさに映画づくりに奔走する人々のライフワークのようなもの。


 スタッフ一人一人と家族のような絆を育みつつ、一つの目的地へと向かっていくアンダーソン組の姿が、どうやらこの映画には少なからず投影されているようなのである。




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