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『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

(c)Photofest / Getty Images

『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

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明確な答えのないジャガーサメという存在



 では本作で彼らが追い求める”ジャガーサメ”とは一体なんだったのか。音声解説の中でアンダーソンはこうも語っている。


 「ジャガーサメの意味をよく聞かれる。これと言った明確な答えはないんだ。けれど、あのサメには一つの特徴がある。決して現実ではなく人工的な作り物に見えることだ」



『ライフ・アクアティック』(c)Photofest / Getty Images


 なぜ、サメは人工的な作り物でなければならなかったのか。そもそも現実なのか。ズィスーの虚言なのか。幻想なのか。そこにもおそらく明確な答えはないのであろう。というより、アンダーソンが映画づくりを通じて生涯にわたって追い求めるものが、このシーンには刻まれていると解釈したほうが良いのかもしれない。


 そこには心を動かされる何かがある。深淵がある。その未知なる風景をクルー全員で一丸となって見つめるために、彼らは果てしなく航海を続けていくのだろう。これまでも、そしてこれからもずっと。




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