1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ライフ・アクアティック
  4. 『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い
『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

(c)Photofest / Getty Images

『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い

PAGES


This is an adventure.



 長編第10作目『フレンチ・ディスパッチ』でも、キャストやスタッフは共同生活にも似た日々を送り、食事をするときもみんな一緒で、期間中はずっと家族のように親密に過ごしたという。


 撮影監督のロバート・イェーマンはアンダーソンの長年にわたるコラボレーターだが、「アンダーソン組で働く事は、人生を変える冒険に出発するようなものだ」と語っている。(『フレンチ・ディスパッチ』プレス資料より)


『フレンチ・ディスパッチ』予告


 そういえば『ライフ・アクアティック』でズィスーが口にする言葉、それは"This is an adventure."だった。”冒険”はアンダーソン組を象徴する合言葉のようなものなのかもしれない。


 今や押しも押されもせぬ人気を誇るフィルムメーカーとなったウェス・アンダーソン。私が『ライフ・アクアティック』に強く心惹かれてやまないのは、この映画に当時30代半ばだった彼の映画づくりに対する所信表明のようなものが、または仲間に対する熱い想いのようなものが、かくも惜しげなく溢れ出しているように思えるからなのである。



文:牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。 



今すぐ観る


作品情報を見る



(c)Photofest / Getty Images

PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ライフ・アクアティック
  4. 『ライフ・アクアティック』奇想天外な海洋アドベンチャーに投影された、ウェス・アンダーソンの映画づくりと仲間への想い