『レディ・プレイヤー１』天才同士の築いた“創造世界”が交わる秘密とは　※注！ネタバレ含みます。

スピルバーグとキューブリック、二人はいつ出会ったのか？

　そもそもスピルバーグとキューブリックとの出会いは、前者のキャリア初期にまでさかのぼる。1977年、知的生命体とのコンタクトを描いた『 未知との遭遇』に着手した際、そのジャンルの先輩格である『 2001年宇宙の旅』（68）に衝撃を受けていたスピルバーグは、同作の視覚効果を手がけた人物との接触を試みる。

　しかし当時この作品を監督し、視覚効果を統括したキューブリックとは接点がなく、同じ視覚効果スタッフであるダグラス・トランブルに直接あたって交渉をし、彼を『未知との遭遇』の視覚効果に招き入れたのだ。

『未知との遭遇』スティーブン・スピルバーグの語り

　しかしキューブリックとの接近遭遇は、この『未知との遭遇』を完成させたことによって実現の運びとなる。1978年、映画人の財政支援を目的とした英国王室参加イベント「ロイヤルフィルム・パフォーマンス」での上映作品に『未知との遭遇』が選ばれ、渡英したスピルバーグはエリザベス女王との謁見もそこそこに、キューブリックと会って話をしたという。

　そのときキューブリックからは、「スティーブン、きみとはいつかキャリアが交わることもあるかもしれない。」と、後の『A.I.』の関係を示されたというのだから、天才の天才を見る慧眼はまこと恐れ入る次第だ。

『シャイニング』に映画作りを邪魔されたスピルバーグ