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『るろうに剣心』驚異のアクションで漫画実写化に革命を起こした、大人気シリーズ!

(c)和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

『るろうに剣心』驚異のアクションで漫画実写化に革命を起こした、大人気シリーズ!

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「本格派時代劇」を印象付ける冒頭シーン



実写版『るろうに剣心』の巧みなポイントには多々あるが、特筆すべきは「現実の方向に引っ張る」要素の数々だ。前述した「頬の十字傷」に関してもそうであるし、美術に関してもリアルに作りこみ、視覚的に「本物感漂う骨太な時代劇」として印象付ける。この辺りは、流石『龍馬伝』の大友監督、といったところだろうか。


冒頭で展開する、雪降る中での旧幕府軍と新政府軍たちの死闘(鳥羽伏見の戦い)は、まさに最高の“先制パンチ”だ。死屍累々のなか、黙々と人を斬り続ける抜刀斎。闘う者たちの刀の刃はこぼれ、顔も体も血と泥まみれで、極限状態に逃げ出す者も現れる。そこで描かれるのは、本物の戦場だ。ここでバチッと「本格派時代劇」の映像を入れることで、観る者の意識も大きく変わっていく。同時に、クオリティの高さにうならされた方も多かっただろう。本作には、ご都合主義的な“手抜き”が見えないのだ。


さらに、前述した剣心=かわいいの前に、抜刀斎=怖いのイメージを刷り込むのも、巧みな構成だ。観客の前に初めて現れる抜刀斎は、猫背で歩き方も不穏。引き付けを起こしたような不気味な呼吸で肩を上下動させ、異様な恐ろしさを放っている。佐藤の演じ分けがすさまじいからこそ成立する手法でもあるが、舞台が明治に移っても常に剣心の“影”として付きまとわせるのに、十分なインパクトを残している。



これは佐藤が各インタビューで語っていることだが、緋村剣心を演じるのではなく、まず人斬り抜刀斎を構築し、そこに様々な要素を足すことで剣心像を構築していったのだとか。つまり、根本にあるのは人斬り抜刀斎であるということ。その方法論で挑んだからこそ、雰囲気は“別人”であっても、一人の人間の過去と現在として説得力をもたらせられているのだろう。


『るろうに剣心 最終章 The Beginning』には、第1作に登場した映像も混ぜ込まれているのだが、撮影時期に数年分の差があるにもかかわらず、シームレスにつないで全く違和感がない。それどころか、技術的に大きく進化した最新作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は、最終的に『るろうに剣心』に向かっていくことになる。いわば『スター・ウォーズ』のエピソードI~IIIのような感じだ。


こうした構成を可能にしたのは、第1作できっちりと「このシリーズが進むべき道」を示したからこそであろう。ちなみに、この「鳥羽伏見の戦い」は、シリーズ全体の初日に撮影されたというから驚きだ(YouTube番組「るろうに剣心『Road to Kenshin』 序章 〜鳥羽伏見の戦い〜」で、その一部が確認できる)。





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