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不意をつかれて食べたくなる!映画の中の絶品フード

(c)Photofest / Getty Images

不意をつかれて食べたくなる!映画の中の絶品フード

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『クレイマー、クレイマー』(79)



父子の連携プレーでつくるフレンチ・トースト


監督:ロバート・ベントン 出演:ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー


家庭を顧みず、やり手の広告マンとして仕事に邁進するテッド(ダスティン・ホフマン)。そんな彼に嫌気がさした妻のジョアンナ(メリル・ストリープ)は家を出て行ってしまい、突然5歳の息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)と二人きりの生活が始まる。家事も育児も妻任せだったテッドは、朝食を作るのもままならない。彼が挑戦するのは、フレンチ・トーストだ。


片手で卵を割ってみせるが、思いっきり殻が残ってしまう。コーヒーカップに卵を入れただけで、ミルクを入れるのを忘れてしまう。コーヒーカップが小さいから、トーストを二つ折りにしないと入らない。当然ビシャビシャになって、ミルクがこぼれてしまう。しまいには焦げて台無しに。映画史上でも例を見ないほどに、「不味そうなフレンチ・トースト」だ。


しかし映画の終盤になると、テッドの料理のウデはメキメキと上達していき、ビリーとのコンビネーションも洗練されていく。殻が残らないように、両手で丁寧に卵を割る。ボールで卵をよく混ぜるのはビリーの担当だ。テッドはそのボールにミルクを注ぐ。フライパンにバターを敷いている間に、ビリーはどんどんボールにトーストを浸していく。それをテッドがフライパンに移す。見事な連携プレーだ。完成した料理は一瞬も映らないのに、手際の良さだけで観客は「最高に美味しそうなフレンチ・トースト」を想像してしまう。これぞ映画のマジックだろう。


フレンチ・トーストに類似した料理は、ローマ帝国の時代からつくられていた。だが、我々が知っているフレンチ・トーストは、「1724年に、ニューヨークで酒屋を営むジョーゼフ・フレンチによってつくられた」とされている。そう、フレンチ・トーストはアメリカを代表する料理なのだ。アメリカの親子の物語を綴るにあたって、これ以上ふさわしいブレックファーストはないだろう。



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