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『アンモナイトの目覚め』フランシス・リー監督 人は人との出会いでこんなにも変われる【Director’s Interview Vol.118】
ケイト・ウインスレットとシアーシャ・ローナン
Q:メアリー役ケイト・ウィンスレットのキャスティングについて教えてください。
フランシス:脚本執筆中には特定の俳優をイメージしてはいませんでした。脚本が完成してから誰がふさわしいかと考え始めました。イギリス人俳優に頼みたいと、常に思っていましたね。そして年齢は40代であること、私の独特なスタイルに従うのをいとわないことが条件でした。そうした中、私はケイト・ウインスレットに惹かれました。ケイトにとってもいいことのように思えたんです。私が思い描いているような形で彼女と仕事ができたなら、必ずや素晴らしい作品になり彼女の代表作になるとも思いました。それで脚本を送ったんです。
『アンモナイトの目覚め』© 2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited
Q:シャーロット役シアーシャ・ローナンのキャスティングはどうでしたか?
フランシス:シャーロットは上流階級のイギリス人女性です。シャーロットは映画の中で劇的に変わっていく、非常に難しい役どころです。最初は夫に支配され抑圧されており、人形のような人物ですが、それが最後には自分という人間をしっかり持ち、自分の意志で物事を決められる女性になっていく。とても難しいキャスティングでしたね。
シアーシャ・ローナンの作品を観て、彼女の表現力の豊かさに驚きとても魅力を感じました。それぞれの役で違う一面を見せていましたが、今回のシャーロットほど振り幅を見せている作品はありませんでした。だからこの作品を通じて変わっていく姿を見たいと思ったんです。
Q:前作のキャストを再起用してしますが、いかがでしたか。
フランシス:『ゴッズ・オウン・カントリー』のキャストから本作で4人を再起用しました。メインキャストだとアレック・セカレアヌとジェマ・ジョーンズ。そしてサラ・ホワイトとリアム・トーマスも再起用しました。一緒に働くのが楽しいと思えた俳優は、その演技力と創造性に全幅の信頼を寄せています。私は別人に変身できる俳優が大好きです。既に関係性を築いている俳優に別の役を演じてもらうのは、やりやすかったし素敵な経験でした。俳優にせよ、クルーにせよ、一緒に働くのが楽しい人たちをどんどん増やしていきたいですね。