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『神在月のこども』原作・コミュニケーション監督:四戸俊成 自分が好きなことを信じてほしい【Director’s Interview Vol.140】

『神在月のこども』原作・コミュニケーション監督:四戸俊成 自分が好きなことを信じてほしい【Director’s Interview Vol.140】

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岩浪美和、三宅隆太、一流スタッフたちとの仕事



Q:龍神が登場するシーンの音響の迫力は素晴らしく、さすが岩浪美和さんだなと感じました。岩浪さんとはどのような話をされて音響を作っていかれたのでしょうか。 

 

四戸:今回配給していただくのはイオンエンターテイメントさんですが、イオンシネマの多くの劇場の音響調整は岩浪さんが担当されているんです。音響監督と言うと、普通は作品の中の音響だけを調整するわけですが、岩浪さんの場合は劇場という鑑賞環境まで調整されている。『ガールズ&パンツァー 劇場版』(15)の上映などで、岩浪さんが劇場の音響調整された回が即完売になったという有名な話もあります。今回はイオンさんにご紹介いただいて、岩浪さんに音響監督をお願いする事ができたのですが、本当にこれもご縁でしたね。


岩浪さんと一緒に仕事をしていて印象的だったのは、「時が止まったら音ってどうなるの?」と疑問に思われて、その表現に試行錯誤されていた事ですね。劇中では時の流れが変わって、ものすごくゆっくりと時が流れる(ほぼ動かなくなる)という設定になっているのですが、「だったら音もゆっくりになるよね」と、作品の世界観に対して真剣に向き合って取り組んでくださいました。


実はこの周りが動かなくなると言う設定は、アニメ的にはかなり難しい挑戦でした。音ももちろんですが、画としても動きがないのはアニメとして結構致命的なんですよね。物語を書いている時は、その難しさなどは全く想像せずに、面白い世界になるぞって書いていたのですが、実際に作るとなるとすごく大変で、スタッフの皆さんには苦労させてしまいました。



『神在月のこども』 (c)「神在月のこども」製作御縁会


Q:脚本には四戸さんのほかに、三宅隆太さんや瀧田哲郎さんなど、実写作品で活躍されている方がスタッフィングされています。お二人に依頼した経緯を教えて下さい。 

 

四戸:最初の企画段階では、僕が物語を書き白井さんが絵を描いてくれた28ページほどのシノプシスがありました。それをベースにどう脚本に落とし込んでいくか考えていたとき、知り合いのプロデューサーから、スクリプトドクターの三宅さんに相談することを勧めていただき、実際に紹介してもらったんです。


早速お会いしてお話しすると、さすがスクリプトドクターというだけあって、三宅さんの脚本に対する引き出しの多さがすごいんです。「この作品だったらこうなるよね」などと、ありとあらゆる映画の例えを話してくださって、僕らの30ページ足らずのシノプシスに対して色んな可能性を提示していただきました。


そして一通り話を伺った後で、三宅さんご自身に脚本をやっていただけないか、私から相談したんです。三宅さんはあくまでスクリプトドクターとして打合せに臨んでいたので、「私ですか⁉︎」と、最初はかなり驚かれた様子でした。当時三宅さんは、執筆中の脚本をいくつか抱えていたこともあり、三宅さんの知り合いの脚本家である瀧田哲郎さんと一緒であればできそうだと、何とか受けてくださったんです。


そこからお二人に、30ページ足らずのシノプシスを100ページを超える脚本に仕上げていただきました。その後私とやりとりをさせていただいて、第八稿くらいでやっと決定稿となりました。




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