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『神在月のこども』原作・コミュニケーション監督:四戸俊成 自分が好きなことを信じてほしい【Director’s Interview Vol.140】

『神在月のこども』原作・コミュニケーション監督:四戸俊成 自分が好きなことを信じてほしい【Director’s Interview Vol.140】

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会社の壁に貼った「ジブリの風をリアルに」



Q:これまでに影響を受けた、映画、アニメなどを教えてください。 


四戸:自分が小中学生の頃には『魔女の宅急便』(89)や『もののけ姫』(97)がロードショー上映されていて、それを観せて頂けてきた幸運な世代なので、やはりそれらの影響はものすごく大きかったのだと思います。主人公が何度倒れても立ち上がり走っていく姿に感動をもらっていましたから、自分たちで作品を作るときも、そういう主人公の姿でありたいと思っていました。カンナがひたむきに走りつづけて自分を取り戻していくという物語を描いたのは、幼少期に魅せられた作品の影響に違いないと思います。


僕は会社を立ち上げて12年ほど経つのですが、起業時、自宅の仕事部屋の壁に「ジブリの風をリアルに」という言葉を貼ってはじめました。ジブリ作品の主人公は、感情が湧き立つ時に風が吹いて髪がなびくことで有名ですが、小さい頃に映画館でそれを観たときは、本当にその熱風を感じ、鳥肌が立って自分の毛も逆立っているような感覚を覚えました。僕らはアニメーションの主人公に感情移入して感じさせてもらえたそうした経験を、自分自身の感覚で肌が粟立つようなリアルな体験として作り上げるコミュニケーションデザインを目指したんです。


今回、島根・出雲を舞台とし、その文化を題材にさせて頂いたのは、アニメーションで描かれたその魅力を映画館で経験し、さらにロケーションまで旅して、それを超えるリアルな魅力を舞台となった地で体験して頂くというコミュニケーションの挑戦でもありました。



『神在月のこども』 (c)「神在月のこども」製作御縁会


Q:最後に観客のみなさんにメッセージを


四戸:僕らの映画は、神無月のエリアである東京から、神在月のエリアである出雲へと駆ける少女のロードムービーです。


好きなことが信じられなくなった少女がそれを取り戻す物語ですが、観ていただいた方が映画館を後にしたとき、子供たちは走り出したくなり、大人は心の中で走り出せるような、そんな作品をお届けしたいと思っています。「自分が好きなことを信じていいんだ」と、この作品を観て、そういうエネルギーみたいなものを受け止めてもらえたら。みんながもう一度走り出す力になれたなら、そう願っています。




 

原作・コミュニケーション監督:四戸俊成

1980年千葉県生まれ cretica universalをたちあげ11年、映画・漫画・テーマパーク等様々な領域でコミュニケーションを設計。洋画・邦画を代表する大作映画のプレミアイベントから、『リトルプリンスinとよた』『ひるね姫×くらしき』などのタイアップ、『TOYOTA ANIME CINEMA FESTIVAL』のスタートアップまでを統括。『神在月のこども』を企画・原案・原作し、コミュニケーションを監督。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。



撮影:青木一成




『神在月のこども』

10月8日(金)全国ロードショー 

配給:イオンエンターテイメント

(c)「神在月のこども」製作御縁会



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