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『未来世紀 SHIBUYA』白石晃士監督 明るいディストピアSFで描いた、現在と地続きの近未来【Director’s Interview Vol.166】

『未来世紀 SHIBUYA』白石晃士監督 明るいディストピアSFで描いた、現在と地続きの近未来【Director’s Interview Vol.166】

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ジョン・カーペンター作品からの影響



Q:本作はミツル(⾦⼦⼤地)とカケル(醍醐⻁汰朗)のバディものになっています。まるで80年代のアメリカの刑事ドラマのようにボケとツッコミの関係性で、どんどん話が転がっていくのが面白かったです。


白石:主人公の2人は「正義マン」と名乗っているけど、スーパーヒーローのような超能力は持っていない。そういう点ではジョン・カーペンター監督の『ゴーストハンターズ』(86)に影響を受けているかも知れません。主人公のカート・ラッセルがトラックの運ちゃんで筋肉はあるんですが、喧嘩が弱くて意気地もあまりない。だけど彼が中心にいることで映画がすごく豊かになっている。そういう感覚を持ち込んだっていうのはあるかもしれないですね。


主人公のミツルは学歴はないけど地頭はいい。感覚的に倫理観とか世界を理解する能力が高くて、「これはなんか、おかしくねーか?」と必要な時に自然と言える。そういうザコと思われているような人に、実は超人めいたところがある。自分は普通の人の中にこそ超人的な能力が潜んでいると思っていて、それは例えば電車でさっと席を譲れる、といったことなんです。だから会社勤めとか、小さな商店を営んでいる人にも、すごい人が沢山いるはずだと思っています。そんなイメージを主人公たちに重ねた所はありますね。


Hulu オリジナル「未来世紀SHIBUYA」©HJホールディングス


Q:今までの白石作品はほとんどがホラーで、いい意味で殺伐とした雰囲気があったのですが、今回は温かさも感じました。その辺は共同脚本の保坂大輔さんの影響もあるのでしょうか。


白石:意外と自分は、こういうコメディを作りたいという思いもあったので、最終的に自分の心地良い所に着地させました。でも確かに自分発信では、なかなかそういうテイストに行きにくいところはあったかも知れないです。だから最初は保坂さんに世界を構築してもらって、そこに自分が乗っかって行くみたいなところはありましたね。





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