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『未来世紀 SHIBUYA』白石晃士監督 明るいディストピアSFで描いた、現在と地続きの近未来【Director’s Interview Vol.166】

『未来世紀 SHIBUYA』白石晃士監督 明るいディストピアSFで描いた、現在と地続きの近未来【Director’s Interview Vol.166】

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POV(1人称視点)での撮影秘話



Q:今作は撮影者の1人称視点、POVになっているので、 ワンカット長回しを多用されています。撮影のほとんどは監督がスマートフォンでされたそうですね。


白石:そうです。でも撮影者役のタナカ(篠原悠伸)が画面に映り込むとか、芝居の動きでタナカが実際にカメラを回さないと撮れないカットもありました。でも90%くらいは俺が撮っていると思います。


Q:POVではカットが割れないので、絶妙なタイミングを要する撮影も多く、難しかったのではないでしょうか?


白石:それは難しいですよね。本番も一発ではなかなか上手くいかないので、何回かやって調整しながらですね。きっかけを出すタイミングとか、「ちょっと遅かった」、「今度はちょっと早すぎた」とか、実際にやってみないと分からないので。



Hulu オリジナル「未来世紀SHIBUYA」©HJホールディングス


Q:今回は、最終話で一番長いワンカットがあったと思いますが。


白石:最終話は、ラスト以外はワンカット風で通していますね。


Q:途中カメラがスイッシュ*したポイントで編集されているとは思いますが、最長で20分くらいワンカットだったんでしょうか。


*:スイッシュ(スイッシュパン):カメラを素早くパンさせる撮影技法。編集でスイッシュした瞬間に別のカットをつなぐとワンカットで撮影されたように見える。


白石:いや20分も回してないですね。最長で7分ぐらいじゃないですかね。


Q:ワンカットが長いので、役者さんも NG を出さないように演技していると思いますが、監督はリテイクをあまりしないのでしょうか?


白石: かなり長いカットなので役者さんにまかせている部分もありますが、作品の全体を通して見た時に、セリフに齟齬があったりする場合があるので、そういう時はNGです。そういうことがない限りは大体 OK にしていますね。




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