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『アイアンマン』が、MCU計画第1弾である理由とは

『アイアンマン』が、MCU計画第1弾である理由とは

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さらに伝説は続く



 『アイアンマン』のメイキング映像やプロダクション・ノートを見ていて面白いのは、映画制作序盤では、今、私たちが観ている『アイアンマン』とはかなり違う設定や物語であったことや、結果的にではあるが、ある程度先まで見通して設定されていたことが窺える点だ。


 トニー・スタークを誘拐するテロ組織「テン・リングス」。原作コミックでは、アイアンマンの宿敵「マンダリン」が十指にはめている指輪の総称のことで、映画の悪役も初期段階では「マンダリン」だったようだ。


 後の『アイアンマン3』(13)で「テン・リングス」と、そのリーダーとして「マンダリン」が登場するものの、武器商人による架空の存在(正体は売れない俳優なのだが、演じているのはアカデミー賞俳優のベン・キングズレー)としてで、使い捨てられた格好だ。しかし、現在アナウンスされているMCUフェーズ4の新作『Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings』に『インファナル・アフェア』(02)のトニー・レオンが「マンダリン」としてクレジットされている。




 また、オバダイアがマーク1を元に作らせる「アイアン・モンガー」だが、映画の初期段階では原作コミックの別の悪役、ロシアの科学者アントン・ヴァンコが搭乗するスーツの名称「クリムゾン・ダイナモ」と呼ばれている。


 『アイアンマン2』(10)で、ミッキー・ローク(彼もまた“帰ってきた男”である)が「アントン・ヴァンコ」を演じるが、彼が搭乗するスーツの名は、また別の悪役「ウィップラッシュ」だ。ちなみに1作目『アイアンマン』劇中でトニー・スタークがアメリカ軍の戦闘機に追われるが、この時の戦闘機のコールサイン(呼び名)が「ウィップラッシュ」である。


 AI執事としてトニー・スタークをサポートする「ジャービス」の声は、1作目から既にポール・ベタニーが演じている。ジャービスは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)でポール・ベタニーが顔を真っ赤に塗った姿で演じる「ヴィジョン」として仲間入りするが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)でサノスにより破壊されてしまう。しかし、現在ディズニーの動画配信チャンネル「ディズニー・プラス」で、ヴィジョンとスカーレット・ウィッチ:ワンダ・マキシモフが登場するドラマ『ワンダ・ヴィジョン』がアナウンスされており、まだまだ活躍が観られそうだ。



 MCU作品ではおなじみ、エンドクレジット後のオマケシーン「ポスト・クレジット・シーン」はMCU1作目の『アイアンマン』からすでに取り入れられている。アイアンマンであることを告白し、家に帰ったスタークはサミュエル・L・ジャクソン演じるシールド長官ニック・フューリーに迎えられる。


 「君は自分が世界で唯一のヒーローだと思っているだろう。だが、もっと大きな計画の一部なんだ。それが“アベンジャーズ”だ。」


 この時点で4年後の『アベンジャーズ』(12)まで計画されていたことが解る。と、言うよりも。『アイアンマン』完成までの紆余曲折を鑑みれば、とりあえず『アベンジャーズ』を作る気はあるぞ! と自分達を追い込む意味のエールであろう。そのエールは見事に結実し、さらに続けて「インフィニティ・サーガ」の全23作品を成功のうちに終えたのである。



 2020年現在、マーベル・スタジオを有するディズニーは、20世紀フォックスの買収に成功する。この買収によって20世紀フォックス、改め20世紀スタジオが所有する映画化権利のあるキャラクターのうち「X-MEN」と「ファンタスティック・フォー」のMCU入りは確実となった。2チーム共にコミック版のマーベル・ユニバースでは重要なスタンスにあり、今後の大クロスオーバーの軸になっていくハズである。


 また、アメコミにおける「死」は、ちょっとした休み程度の意味しか持たず、人気キャラクターなら、ほぼ間違いなく生き返っている。MCUにもコミック的な死生観を取り入れるなら、この先アイアンマン、キャプテン・アメリカらと、X-MENのチャールズ・エクゼビアやファンタスティック・フォーのリード・リチャーズが共闘する超クロスオーバーが観られるだろう。


アイアンマンは帰ってくる。かもしれない。



文: 侍功夫

本業デザイナー、兼業映画ライター。日本でのインド映画高揚に尽力中。



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『アイアンマン』

DVD発売中 1,480円(税込)

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

(c) 2008 MVL Film Finance. All Rights Reserved.

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