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『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』16人のヴィランに見る、史上最もピュアなジェームズ・ガン

(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』16人のヴィランに見る、史上最もピュアなジェームズ・ガン

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ハーレイ・クイン/リック・フラッグ/キャプテン・ブーメラン/アマンダ・ウォラー



 悪党たちが揃いに揃って、『ザ・スーサイド・スクワッド』に登場するヴィランは約16名(残念ながら、本稿で紹介しきれなかったキャラクターもいる)。最後にご紹介するのは、デヴィッド・エアー版『スーサイド・スクワッド』からの続投組となる顔ぶれだ。


 おなじみのハーレイ・クインは、エアー版『スーサイド・スクワッド』、そして単独映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(20)に続いてのカムバック。キャラが強すぎる顔ぶれの中に加わって、これまで以上にのびのびとサイコな魅力を見せてくれる。前回の「覚醒」を経て、キャラクター性はさらに自由度を増し、本作では人間ドラマをほとんど背負わず軽快に大暴れ。3度目の登場だが、その姿はなお新鮮だ。


 演じるのはもちろん、いまや「ハーレイ・クインといえば」と言えるほどの定着ぶりとなったマーゴット・ロビー。ガンは思い切ってコミックのハーレイに回帰することを目指し、その描き方にはマーゴットも脚本を読んで納得したという。自ら演じた中盤のアクションシーンは、マーゴットが「自分のキャリアに残るものになった」と豪語する自信作だ。



『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics


 ジョエル・キナマン演じるリック・フラッグは、エアー版に続いてスーサイド・スクワッドの隊長として登場。よりクレイジーになったチームをまとめるべく、ほとんど映画の良心のような人間性を見せ、今回は軍人としての信念もきちんと描かれる。一方、ガンらしいユーモアも振りかけられて、キャラクターとしての多面性はより増した。


 ちなみにキナマンは、エアー版のフラッグを再演する意識ではなく、あくまでも新たな役柄のつもりで本作に臨んだそう。しかし、そこはキャラクターを大切にするガンの手さばきが冴えるところ。先述の通り、事実上のリーダー役をブラッドスポートとピースメーカーに取って代わられるなど、どこかエアー版にも通じる役回りも健在だ。


 同じく再登場組のキャプテン・ブーメランは、演じるジェイ・コートニーが「キャプテン・ブーメランは変わらないのが魅力」と語っているように、前作のトーンを継承し、本作との橋渡しを担うような立ち位置。もちろん、愛嬌たっぷりの魅力も健在だ。ハーレイ・クイン&リック・フラッグという“再登場組”とのアンサンブルには安心感さえある。


 そして特筆すべきは、チームを決死の任務に送り込むアマンダ・ウォラーの存在だろう。ガンが描くウォラーは、前回以上に存在感を増し、さらに大きな役割を担い、恐ろしい表情で観客を震え上がらせることになる。悪を支配する悪なのだから、彼女こそまさに“極”悪党。アカデミー賞女優であるヴィオラ・デイヴィスの演技には、ガン監督も「本当に怖かった」と語った。


 ちなみに本作には、コミックやガン監督にゆかりのある人々もカメオ出演している。原案コミックのライターであるジョン・オストランダーは、サバントの頭に爆弾を埋め込む医師役で登場。ガンの師匠である映画監督ロイド・カウフマン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのマンティス役でおなじみポム・クレメンティエフは、チームの一同が訪れるバーのシーンにチラリと顔を見せる。





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