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『ソー:ラブ&サンダー』人間ドラマの名手タイカ・ワイティティがコメディで挑む抵抗の狼煙

(c)Marvel Studios 2022

『ソー:ラブ&サンダー』人間ドラマの名手タイカ・ワイティティがコメディで挑む抵抗の狼煙

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『ソー:ラブ&サンダー』あらすじ

アベンジャーズの破天荒なヒーロー、雷神ソーの集大成!『アベンジャーズ/エンドゲーム』の激闘後、ソーは多くの仲間を失い、戦いを避けるようにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと地球を後にしていた。自分探し中の彼に、全宇宙の神々滅亡を誓う“神殺し”のゴアが襲いかかる。絶体絶命のその時、ソー以上の力を持つ新たな“マイティ・ソー”に姿を変えた、元恋人のジェーンが現れた!



 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の黎明期、すなわち“フェイズ1”から最前線をひた走ってきたヒーローが、再び大スクリーンに帰ってきた。『ソー:ラブ&サンダー』(22)は、アイアンマンやキャプテン・アメリカでさえ作られなかった、MCU史上初となる単独映画の第4作。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)を経て、クリス・ヘムズワース演じる雷神ソーが新たな冒険に踏み出していく物語だ。


 本作のキーパーソンとなったのは、シリーズの前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)を手がけたタイカ・ワイティティ。監督・脚本を兼任し、再びコーグ役としてソーの相棒役を担うタイカは、この映画で“抵抗の狼煙”を上げてみせた。


『ソー:ラブ&サンダー』予告


Index


雷神ソーの“その後”、いかに描くか



 アスガルドの王子にして、ムジョルニアを片手に戦う最強の戦士。『マイティ・ソー』(11)に始まった雷神・ソーの物語は、常に故郷のアスガルドや、父であり王・オーディンと母・フリッガ、そして弟・ロキとの関係性とともにあった。前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』はそれらに決着をつけたが、続く『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)を含め、ソーの旅路が喪失の痛みに満ちていたことは事実。家族を失い、故郷を失い、仲間を失ったことに深く傷ついたソーは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)の終わりに、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとともに宇宙への旅に出た。


 『ソー:ラブ&サンダー』の物語はその後、ソーとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが宇宙での冒険を繰り広げるさなかから始まる。ところが、ソーは“神殺し”のゴアが神々の殲滅を目論んでいることを知った。地球にあるニュー・アスガルドに帰還したソーの前に現れたのは、“もうひとりのソー”であるマイティ・ソー。その正体は、ムジョルニアによって力に目覚めた、かつての恋人ジェーン・フォスターだった。思わぬ再会に動揺するソーだが、ジェーンにはとある事情があった。今やソーとして共闘する関係になったふたりは、ゴアの企みを阻止することができるのか……。



『ソー:ラブ&サンダー』(c)Marvel Studios 2022


 もともとアスガルドの王族だったソーは、数々の作品を通じて、自分に与えられたポジションを手放し、それとは異なる形で自らの責任を背負ってきた。1作目の『マイティ・ソー』に限らず、ソーの物語はいつも一種の貴種流離譚だったのである。そして、そこにひとつの回答を与えた――それはソーを王子から庶民に戻すことでもあった――のが、シリーズの前作を手がけたタイカ・ワイティティだったのだ。


 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアンソニー&ジョー・ルッソ監督が引き継いだソーの物語が、本作で再びタイカの手に戻ってきた。シリーズの新章となる『ソー:ラブ&サンダー』は、ソーの“その後”を描くストーリー。今回のタイカは、どんなアプローチでこの映画に挑んだのだろうか?





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