あらすじ⑦
コロッサスはフォービンの映像と音声を、24時間モニターさせるよう命じ、「従わなければワシントンをミサイル攻撃する」と脅してくる。フォービンは仕方なく要求を受け入れた。マイク付きビデオカメラの設置工事が完了するまでの間を利用して、フォービンは研究チームと屋外で最後の会議を持つ。
研究者の1人ジョン・フィッシャー博士(ゲオルグ・スタンフォード・ブラウン)は、「コロッサスに過負荷を掛けることで、しばらく機能不全に陥るのでは?」と提案する。またフォービンは、「定期的に情報交換をするために、メンバーの誰かと恋愛関係にあるという設定をつくり、コロッサスが自分にプライバシーを与えてくれることを期待しよう」と提案して、その相手にクレオ博士を指名する。
監視システムが完成すると、フォービンは音声入力(これまではすべてタイプ入力)を用い、管制センターの内部を案内しながら、死角がないことをコロッサスに確認させる。そして中庭へ出て、照明付き監視カメラで自分の住居まで追跡させる。フォービンはこの間にも、「彼は守衛だがもう用済みだ。この地面はコンクリート製で、以前は芝生で覆われていた…」などと、様々な知識を与えていく。
フォービンの住居内にも至る所に監視装置があり、コロッサスのディスプレイも設置されている。彼は、ドライな「イン&アウト・マティーニ」(*6)の作り方を、懇切丁寧に説明していく。コロッサスはその手順を細かく観察し、色々口を出してくるが、これはフォービンの作戦でもあった。
フォービンはコロッサスに、週4回のセックスの自由を求め、その間だけは監視しないと約束させる。しかしコロッサスは、起床・就寝の時刻、食事のメニューや分量、運動量に至るまで細かく指定し、これを厳守することを条件にしてくる。そしてここに、コロッサス自身の発話機能の開発も含まれていた。
コロッサスが決めた予定時刻に従って、クレオはフォービン宅を訪ねてくる。彼女はフォービンの恋人を装い、彼とまったく同じ方法(ベルモットの量にこだわりがある)でマティーニを作る。これを決め手としてコロッサスは信じ込むが、監視の目が及ばないベッドルームへは、必ず全裸になり、タバコや腕時計の持ち込みすら禁じた。
ベッドルームでは、約束通りコロッサスが監視装置の電源をオフにしていることを確認し、クレオはフィッシャー博士やジェファーソン・ジョンソン博士(マーティン・ブルックス)が、コロッサスに対する破壊工作を研究していることを報告する。だがフォービンは、コロッサスの堅牢性を考え、「コンピューターではなくミサイルに手を加えるべきだ」と提案する。
*6 氷をベルモットで洗うように混ぜてから、ベルモットを完全に捨て去り、その微かな香りが付いた氷でジンを冷やすという手法。クレオはフォービンから、予め指導を受けていた。